DSLRが真似できない“画作り”――「サイバーショット F828」(3/3 ページ)

» 2004年01月19日 23時52分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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mn_cyber9.jpg 1/200秒、F4、ISO 64。回転レンズを使って地面スレスレのローアングルから水鳥を撮影。お腹についた水滴は、このアングルならでは。明るいレンズと7枚羽絞りで背景のボケ味もなかなかだ。元画像はこちらをクリック
mn_cyber9a.jpg 1/250秒、F5.6、ISO 64。こちらもローアングルからの作例。元画像はこちらをクリック

 注目したいのが、メモリースティック(PRO対応)のほかに、TYPE II(マイクロドライブ対応)のコンパクトフラッシュ(CF)スロットを搭載している点。同社デジカメとしても初となるこのダブルメディアスロット採用は、大容量・高速化に対応したメモリースティックPROがあるだけに興味深いところだ。

mn_10.jpg PRO対応メモリースティックスロットとマイクロドライブ対応CFスロットのダブル装備。バッテリーは専用充電池(インフォリチウムバッテリー「NP-FM50」)を使用

 これは、既存のソニーファンだけでなく、マイクロドライブや大容量CFを所有する多くのカメラファンにF828を使ってもらいたいという同社の期待が込められているのではないだろうか。いずれにしても、メディア単価が安いマイクロドライブ/CFが使えるということはユーザーにとって喜ばしいことだ。

 そのほか、手動でズームが操れるダイレクト駆動の「マニュアルズームリング」や、マニュアルフォーカス機能も搭載。 また、赤外線を照射することで暗闇でも撮影できる「ナイトショット」機能をはじめ、暗所でのピント合わせに便利な「ホログラフィックAF」、暗闇でのフレーミングと自然な色合いでの記録が行える「ナイトフレーミング」など、従来機で定評のある夜間撮影機能も継承している。

mn_cyber11.jpg 1/10秒、F2.5、ISO 1600。真っ暗闇で活動する夜行性のサルをナイトショットで撮影。元画像はこちらをクリック

 各機能が割り振られたボタン類も従来機より増え、DSLR的なマニュアル操作志向のユーザーにも満足できる仕様になっている。ただし、それぞれのボタンの位置や機能などは再考の余地がありそうだ。例えば、めったに使うものではないナイトショット/ナイトフレーミング機能が単独ボタンで用意されていたり、積極的に使いたいISO感度設定はメニューからの選択だったりする。

mn_cyber12.jpg 左側面に用意されたナイトショット/ナイトフレーミング機能ボタンは使用頻度が低い

 低価格DSLRの台頭によって、ただでさえ小規模だった“10万円超のレンズ一体型ハイエンド機”の市場がさらに縮小するのではという意見もある。だが厳しい状況だからこそ、DSLRには真似のできない“画作り”などで勝負するような優れた機種が登場するのでは、という期待も高まる。F828は、そんな“ハイエンドデジカメ新時代”の幕開けを告げる1台なのかもしれない。

mn_cyber13.jpg 1/250秒、F8、ISO 64。元画像はこちらをクリック
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