Windowsアプリ稼働環境、WINEがMac OS Xに対応へ

» 2004年01月29日 20時10分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Darwineプロジェクトは、Mac OS XにWINEテクノロジーを移植中だ。まずDarwinに対応させ、その後でMac OS Xに移植するという。移植が成功すれば、Virtual PCやWindowsをインストールしなくても、Mac OS XでWindows用ソフトウェアを動かすことが可能となる。

 WINEは、"WINE Is Not An Emulator"の略称。Windows Application Programming Interface (API) をオープンソース技術により実装したもので、UNIXまたはLinux上で動作する。WINEはWindowsをインストールしておく必要がない、Microsoftなしで構成されるコード技術だ。

 Darwineプロジェクトに関わっている開発者は、WINEとサポート用ツールをAppleのDarwinに移植する計画だ。DarwinはAppleが参加しているオープンソースプロジェクトの一つ。複数のシステムアーキテクチャで動作し、MacにもPCにも対応する。

 Darwineのデベロッパーは、まずWINEをDarwin/x86で動作させる計画だ。「Darwinは大部分がFreeBSDと互換性を持っているが、MachカーネルではELFではなくMach-Oフォーマットを採用しているので、その部分を乗り越えなければならない」という。

 そこまで到達したら、DarwineチームはWINEをDarwin/PPCに移植し、Mac OS Xに対応させる。最終的にはDarwineをオープンソースのPCエミュレータであるBochsと連動できるようにする。

 「このプロジェクトでは単にBochsを使ってWindowsを走らせるのとは訳が違う。それは、Windowsが不要だからだ。X上でWindowsアプリケーションを動作させるには、WINEとBochsだけでいい。これによりパフォーマンス、統合化が改善され、管理が容易になる」とDarwineチームは宣言する。

 Darwineは少なくとも現バージョンでは成熟しているとは言えない。デベロッパーによれば、WINEを改善するには多くの努力が必要で、ターゲットユーザーはデベロッパーとハッカーだという。このプロジェクトに関する最新情報を得たいのなら、Darwineのサイトへ。

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