日本サムスンの液晶ディスプレイ「SyncMaster 173P」(以下、173P)と「同193P」(以下、193P)は、本体のボタン類がタッチ式の電源ボタンのみというユニークな製品だ。スピーカーやUSBハブといった付加機能は持たず、オンスクリーンディスプレイ(OSD)用のボタンもない。各種の設定と調整は、すべてPCから行うのが特徴だ。
画面サイズは173Pが17インチ、193Pが19インチで、両者ともPVA方式の液晶パネルを採用するが、細部のスペックが若干異なる。173Pの輝度は270カンデラ/平方メートル、コントラスト比は700:1、応答速度は25ms。一方193Pは、250カンデラ/平方メートル、800:1、20msだ。
そのほかのスペックは共通で、最大解像度は1280×1024ピクセル(SXGA)、最大色数は約1677万色フルカラー、視野角は水平/垂直とも178度、デジタル(DVI-D)とアナログ(ミニD-Sub15ピン)の2系統入力を備える。SXGA以下の解像度は常に全画面拡大表示となり、実解像度での表示やアスペクト比を保持した拡大表示には対応していない。
本体スタンドはデュアルヒンジ機構になっており、チルトとスウィーベル、最大50センチの高さ調節が可能だ。ただし、デジタル/アナログRGBケーブルとACアダプタケーブルをスタンドの台座の背面部分に水平に接続するため、設置スペースにはそれなりの奥行きが必要である(実測で約30センチ以上)。VESAマウンティングブラケットと固定用ブラケットが付属しているため、スタンドの底面を壁面に固定して使うこともできる。
また、173P/193Pは標準でピボット機能を搭載しており、同梱のユーティリティソフトを使って、画面を90度回転させた縦長デスクトップの表示が可能だ。ピボット表示には、NVIDIAの「ForceWare」やATI Technologiesの「CATALYST」といった各GPU向けのユーティリティソフトの画面回転機能を使ってもよい(CATALYSTでは隠し機能となっており、レジストリ編集で有効化する必要がある)。
173P/193Pの各種設定と調整は、PCにインストールしたユーティリティソフト「MagicTune」で行う。
対応OSはWindows 98SE/Me/2000/XPで、DDC/CI(Display Data Channel Command Interface)をサポートしたグラフィックスチップ/カードが必要だ。
DDC/CIとは、ディスプレイのプラグ&プレイを実現するデジタル/アナログRGBケーブルのDDCラインを用いてコントロールコマンドを送信し、ディスプレイを制御する仕組みだ。1994年に発表された規格なので、現在のグラフィックスチップならまず間違いなくサポートしている。
日本サムスンの動作確認表を見ても、NVIDIAの「RIVA 128」、ATI Technologiesの「Rage」、Matrox Electronic Systemsの「Millennium」など、往年の名チップから最新のGPUまで並んでいる(チップセット内蔵のグラフィックス機能を含む)。
MagicTuneの設定項目は以下のとおりだ。表からも分かるように、設定項目はデジタル接続とアナログ接続で異なる。
MagicTuneの設定項目
大分類 | 項目 | アナログ | デジタル |
ジオメトリ | ポジション | ○ | - |
ディスプレイ | ブライトネス | ○ | ○ |
コントラスト | ○ | ○ | |
タイミング調整 | |||
クロック | ○ | - | |
フェイズ | ○ | - | |
自動設定 | ○ | - | |
解像度 | |||
パネル解像度 | ○ | ○ | |
SVGA | ○ | ○ | |
XGA | ○ | ○ | |
SXGA | ○ | ○ | |
カラー | 色補正 | ○ | ○ |
白色点 | |||
赤みを増す | ○ | - | |
ノーマル | ○ | - | |
青みを増す | ○ | - | |
RGBバランス | ○ | - | |
オプション | MagicBright | ||
テキスト | ○ | ○ | |
インターネット | ○ | ○ | |
エンターテイメント | ○ | ○ | |
設定 | |||
コンテクストメニューを使用する | ○ | ○ | |
タスクトレイメニューを使用する | ○ | ○ | |
色補正を使用する | ○ | ○ | |
言語の選択 | ○ | ○ | |
プリセット | ○ | ○ | |
入力端子(アナログ/デジタル) | ○ | ○ |
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