リビングルームに最適な大画面&高画質TV PC――富士通 FMV-DESKPOWER T90G(1/2 ページ)

» 2004年03月03日 02時39分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

高画質機能を組み込んだ22インチワイド液晶を搭載

 PC用の液晶ディスプレイは、従来は15インチクラスが主流であったが、高解像度化が進むにつれてサイズも大型化している。さらに家庭用の機種では、液晶ディスプレイの画面比率も、従来の4:3からDVD-VideoやHDTVに対応した16:9のワイド画面へとシフトしつつある。

 富士通の「FMV-DESKPOWER T」シリーズは、22インチワイド液晶を搭載した一体型TV PCだ。2004年の春モデルでは「FMV-DESKPOWER T90G」(以下、T90G)と「同T50G」の2製品がラインナップされており、搭載CPUやメモリ容量、HDD容量などが両者の違いである。本記事でレビューしたのは上位機のT90Gで、3月初頭時点での実勢価格は28万円前後となっている。

 FMV-DESKPOWER Tシリーズの最大の特徴は、22インチワイドの大画面液晶を搭載している点だ。現在、日本国内でPC本体とセット販売(ディスプレイ一体型を含む)されている液晶ディスプレイの最大サイズは、NECの「VALUESTAR T VT900/8D」に採用されている23インチワイド液晶(表示サイズは横501×縦300ミリ)で、Tシリーズの22インチワイド液晶はそれに次ぐ大きさ(同横480×縦288ミリ)である。もちろん一体型PCでは最大だ。

「FMV-DESKPOWER T90G」は、一体型PCでは最大の22インチワイド液晶を搭載している

 液晶パネルは、高輝度低反射スーパーファイン液晶だ。高輝度で色鮮やかな画像表示を実現するために液晶表面を光沢加工した、いわゆる“ツルピカ液晶”だが、低反射コーティングを施すことで画面への映り込みも低減している。表示解像度は、1280×768ピクセルのWXGAである。

 またTシリーズは、PC側のTVチューナーとは別に、ディスプレイ部にもTVチューナーを内蔵している。このためPCの電源を入れなくてもTV番組が視聴できるほか、PC本体のTVチューナーと併用することで、2番組の同時視聴や裏番組録画も行える。TV番組とPC画面の同時表示ももちろん可能だ。

 ディスプレイ内蔵のTVチューナーは、ゴーストリデューサーや3次元Y/C分離といった高画質機能を備えている。また、液晶自体もオーバードライブ処理を行うアクティブ高速応答技術を採用したことで、直前のコマの残像が残らない、16ms以内という高速な応答速度を実現している。

 また、外部機器をディスプレイに直接接続できるように、S-Video、コンポーネント(D4)、コンポジットの3系統のビデオ/音声入力インタフェースを装備している。このため各波に対応したTVチューナーを外部接続すれば、地上波デジタル/BS/CSのHDTV放送も視聴できるようになるわけだ。

外部機器接続用に、本体の左側面にS-Videoとコンポーネント(D4)、本体前面のカバー内部にコンポジットの3系統のビデオ/音声入力インタフェースを装備している

 サウンドは、ディスプレイの左右に2個ずつ用意したサテライトスピーカーと、ユニット開口面を底面部に、バスレフポート開口部を側面部に向けて装備したサブウーファーの3Dスピーカーシステムだ。同社製品でよく使われているタイムドメインスピーカーではないが、立体的な音の広がりと重量感のある音響効果を実現できるため問題はないだろう。

バスレフポート付きのサブウーファーを本体の左右に装備する

ハイエンドTV PCにふさわしいハードウェアスペック

 次にPC本体のスペックを見ていこう。

 T90Gの搭載CPUは、ハイパースレッディング・テクノロジ対応のPentium 4/2.80C GHz。標準搭載メモリは512Mバイト(デュアルチャンネルのためPC2700対応DDR SDRAM 256Mバイト×2)で最大1Gバイトまで増設できるが、2基あるメモリスロットは両方とも標準搭載メモリですでに使用されているため、メモリを増設する場合はこれらを取り外す必要がある。

メモリスロットは2基あるが、標準搭載メモリ(256Mバイトモジュール×2)で両方ともふさがっている

 チップセットはIntel 865GVで、グラフィックス機能はチップセット内蔵のものを使用する。ビデオメモリはメインメモリと共用で、最大64Mバイトが自動的に割り当てられる。

 HDDは7200rpmのUltra ATA/100接続ドライブだ。容量は200Gバイトと大容量で、最長190時間のTV録画に対応する。PC内蔵のTVチューナーカードはMPEG-2ハードウェアエンコーダ搭載で、ディスプレイ部のTVチューナーと同様にゴーストリデューサーや3次元Y/C分離といった高画質機能も装備している。

 光学ドライブは、すべての記録型DVDメディアに対応した日立エルジーデータストレージ製のDVDスーパーマルチドライブ「GSA-4040B」だ。データの最大書き込み/書き換え速度は、DVD-RAMが3倍速、DVD-Rが4倍速、DVD-RWが2倍速、DVD+Rが4倍速、DVD+RWが2.4倍速ある。

DVDスーパーマルチドライブはフロントローディング式のため、DVDレコーダーのような感覚で使用できる

 TV視聴/録画ソフトには、松下電器産業の「TVfunSTUDIO」を採用している。TVfunSTUDIOはDVD-RAMメディアへダイレクトに録画することができるため、T90GをDVDレコーダーのような感覚で使用することが可能だ。録画予約には、Gemstar-TV Guide Internationalの電子番組表ソフト「G-GUIDE for Windows System」が利用できる。

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