コンパクトデジカメも600万画素時代へ――オリンパス CAMEDIA X-3(1/3 ページ)

» 2004年05月10日 09時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 スタイリッシュ系コンパクトデジカメの中でも、サイズや使い勝手よりも画素数や機能を追求した高機能コンパクトデジカメが、オリンパスの「CAMEDIA X」シリーズだ。2002年11月発売の「CAMEDIA X-1」「CAMEDIA X-2」に続き、2004年4月には「CAMEDIA X-3」(以下、X-3)が登場した(関連記事参照)。

 高級感あるアルミニウム外装のボディを持つX-3は、一般向けモデルの「CAMEDIA μ DIGITAL」シリーズとは異なり、マニュアル露出系の機能も満載していて、ハイエンドユーザーにも対応できる作りとなっている。

コンパクトなボディに1/1.8インチ610万画素CCDを搭載したハイエンドコンパクトデジカメ「CAMEDIA X-3」

クラス最高レベルの1/1.8インチ610万画素CCDを搭載

 X-3はちょっとずんぐりした四角いボディを持ち、前面のレンズカバーを開けるとスイッチが入るという、オリンパスならではのデザインを採用している。レンズカバーが閉じている時はレンズや光学ファインダー、ストロボは隠れており、カチッと音がするまでスライドさせると沈胴式のレンズがせり出してくる仕組みだ。

普段は前面がレンズカバーで覆われていて非常にシンプルなスタイルだ(上)。レンズカバーを開けると沈胴式のレンズがせり出してくる(下)
撮影時はレンズカバーの出っ張りがそのままグリップになる。フラッシュの下には外光パッシブAFセンサーがある

 丸みを帯びたデザインのため一見コンパクトだが、X-3は最近のコンパクト機に比べると分厚く、奥行きが約4センチもある。重量も本体のみで198グラムあり、ポケットからサッと出し入れするのには適さないサイズだ。

本体の厚みは41ミリ。横から見るとけっこう分厚いのがわかる

 レンズは38〜114ミリ相当の光学3倍ズームで、開放F値はF2.8〜4.8。テレ側で暗くなるのは小型レンズなので仕方がないが、ハイエンド系を狙うなら、もう少し広角気味でもよかったかもしれない。

 撮影距離は50センチからだが、マクロモードにするとワイド端で20センチ、テレ端で30センチまで近づけ、さらにスーパーマクロモードにすると、ズーム域が固定されるが、4センチまで寄った撮影ができる。

 コンパクト機では珍しく、レンズの脇には外光パッシブAF(オートフォーカス)センサーも装備する。合焦の精度や速度も上がり、撮影が快適になった。

 CCDは1/1.8インチの610万画素。とうとうこのサイズのデジカメにも600万画素機が登場した。

 最高記録解像度は2816×2112ピクセル。さらにSQモードとして、2560×1920ピクセルや2048×1536ピクセルから640×480ピクセルまでの7種類の解像度を選ぶことができる。これはすごい。

 同社製の他モデルと同様に、画像処理エンジンには「TruePic Turbo」を搭載する。画質は、コントラストが高めでシャープな割に、ノイズはかなり抑えられているという、今年のオリンパスらしい絵作りだ。ホワイトバランスも強力に合わせてくるタイプである。610万画素ということもあって、ディテールの解像感もかなりある。メリハリがある硬めの絵が好きな人にはちょうどよい感じだろう。

 逆に、柔らかめの絵が好きな人には硬すぎると感じるかもしれない。ダイナミックレンジがもう少し広ければありがたいが、1/1.8インチの610万画素CCDではこのくらいかもしれない。

 ズーミングや繰り出し時のレンズの動きは速くないが、起動は3秒弱と一般的である。ただし、起動時にメディア(xDピクチャーカード)をチェックするようで、挿着するメディアの容量によって起動時間が大きく変わる点には注意が必要だ。

 試したところ、64Mバイトのメディアだと起動時間は3秒弱だが、256Mバイトのメディアを使うと約5.5秒と長くなり、512Mバイトのメディアだと10秒近くかかる。レンズの繰り出しと液晶モニタの点灯までは2.5秒程度で済むのだが、そのあとアクセスLEDの明滅が始まり、画面上に撮影情報が出るまでにそれだけの時間がかかるのだ。

 610万画素もあるのだから、それなりに大容量のメディアを使いたいものである。今回の作例撮りでは、大量に撮影できるように512Mバイトのメディアを入れていったのだが、おかげで毎回10秒近くも待たされて辛かった。納得しがたい仕様だ。快適に使うには128Mバイトのメディアを複数枚用意するのが賢明だ。

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