赤坂にある出版社の編集部に勤務する細野由華(23歳)。この物語は、ひとりの新米女性編集者がタブレットPCを使って立派に成長していく過程を追ったフィクションである。特集を担当することになったゆかゆかは、タイトな進行に追われまくり。〆切原稿に追われる中で、編集長からは叱られ、同僚には仕事の足を引っ張られてさんざんなメに遭ってしまう。ようやく編集地獄の波にもまれ出したゆかゆかだった……
5月吉日。晴れ。
ある日の朝、内線で編集長から呼び出された由華ちゃん。どうやら特集記事の進み具合に、編集長はかなーり危惧を抱いている様子です。
編集長 「細野君、特集の現時点のステータスはどうなってる?」
細野 「ハイ、10P分の原稿が滞ってます。内容はマイクロソフトの販促担当者インタビューと展示会レポートです……」
編集長 「ううむ。で……、それらの記事の担当ライターは?」
細野 「どちらも、あの、私です……」
編集長 「なぬぅ! ……。あのね、キミィ(以下略)」
由華ちゃん、入社以来初めての“大目玉”を編集長から食らってしまいました。しょげた様子で自分のデスクに戻ってくる由華ちゃん……
細野 「ショボーン。朝から、超へこみモード。まあ、しょうがないよねー。あたしが遅筆なのが悪いんだしー。ん? なんだこりゃ?」
デスク上のタブちゃん、外部キーボード付き状態。画面を見ると、なぜかチャット画面が立ち上がっています。だれかが勝手にいじった模様。
細野 「もう、だれかしら? あたしの大事なタブちゃんに〜っ。まったくー……。ぶつぶつ〜」
「だれですか? 私いま、忙しいんです」とレスを返す、ご機嫌ナナメのゆかゆか。相手は同期入社のO記者なのだった! さらにチャットでレスを返す由華ちゃん。
細野 「なんだ、ユカタンか。いま編集長に叱られたんだ……」
ユカタン 「そんなことで落ち込んでるの、ゆかゆか? 私なんか年中、叱られっぱなしだよ」
「そりゃ、アンタはな!」と書きかけて、別のレスを返す由華ちゃん。Wユカによるイラスト付きの、じつに不毛なチャットの応酬が続くのでした……(中略)
細野 「あーっ、いけない! 今日、六本木で発表会があるんだった! あたし、こんなことやってる場合じゃないじゃん」
細野 「あの。よく考えたら私、チャットやってるバヤイじゃ ないんですけど……。取材に出ますので、サラバ!」
デスクトップ状態のタブちゃん(=HP Compaq Tablet PC TC1100)を素早くモバイル状態に切り替える由華ちゃん。鮮やかなお手並みです。
チャット相手のO記者。じつはスグ近くのデスクに腰掛けて、しゃあしゃあとコーヒーをすすっているじゃあーりませんか!
細野 「じゃあね、ユカタン。まじめに仕事するのよ……」
六本木のイベント会場へ到着した由華ちゃん。カメラマンとともに、小型二足歩行ロボットの発表会を取材。ロボの動きに盛り上がっています。
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