きょうは「GeForce 6800 Ultra」vs「RADEON X800 XT」の名勝負に唸ってしまった(2/2 ページ)

» 2004年05月21日 23時08分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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3DMark03 Fill Rate(Multi)

3DMark03 VertexShader

3DMark03 PixelShader2.0

3DMark03 RagTroll

 3DMark03 Score、GT1&4と、GeForce 6800 Ultraは負荷が重くなるとパフォーマンスの落ち込みが激しかったが、このテストでは、RADEON X800 XTがより大きく落ち込んでいる。 PixelShader 2.0のテストでもRADEON X800 XTは優勢であるものの、FSAAと異方向フィルタリングを有効にして負荷を重くした場合のパフォーマンスの落ち込みは、RADEON X800 XTで大きくなっているのに注目したい。

 GeForce 6800 Ultraのパイプラインには二つのシェーダユニットが用意されていて、それらのユニットで並列処理が行えるようになっている。アーキテクチャ的にはRADEON X800 XTよりも効率がよくなっているわけで、これがPixelShader2.0の結果に影響していると考えられる。

 この違いは、総合的なShader処理の性能をみる「RagTroll」のテスト結果にも影響しており、最も軽負荷時でこそRADEON X800 XTが上回るものの、FSAAと異方向フィルタリングを有効にするとGeForce 6800 Ultraが優勢になる。

 GTテストだけを見る分には、今までどおりDirect X 8世代はGeForce 6800 Ultra、Direct X 9世代はRADEON X800 XTが優勢と単純に決められるかもしれない。だが、最新のゲームで重視されているShader処理性能では負荷を重くするほどGeForce 6800 Ultraのパフォーマンスが上回るなど、Shader処理を多用するゲームではGeForce 6800 Ultraが優れたパフォーマンスを見せる可能性があることも、3DMark03のそれぞれの個別テストは物語っているのでないだろうか。

AquaMark3

TOMBRAIDER angel of darkness

 AquaMark3の結果を見ると、最も負荷が重い1600×1200ドット、FSAAと異方向フィルタリング有効の状態ではRADEON X800 XTが挽回しているが、それ以外はGeForce 6800 Ultraが優勢。ただし、GeForce 6800 UltraはFSAAと異方向フィルタリングを有効にした場合のパフォーマンスの落ち込みがRADEON X800 XTよりも大きくなっている。

 逆にRADEON X800 XTの結果が良好だったのがTOMBRAIDER AoDのベンチマーク。このテストは以前からRADEON系が有利になる傾向があったが、最新GPUでもこの傾向が変わっていないようだ。

 ゲームベンチについては、そのゲームタイトルがどのようなファンクションをサポートしているかで結果が大きく異なってくるのに加え、開発工程におけるGPUベンダーとの協力関係によって、GPUごとに「得意なゲーム」「不得意なゲーム」がでる傾向が見られる。例えばTRAoDはRADEON系GPUで有利になる一方で、今回時間の関係で測定できなかった「FarCry」はGeForce系GPUが優勢になることが多い。

 今回行った3種類のベンチマークテストをみると、それぞれ得意不得意があって、一方的に優劣を決めることは出来ない。しかも、ドライバのチューニングや、パッチによるゲーム側の対応によってこの傾向が大きく変化することも十分考えられる。

 そうなると、コンポーネントの部分(クーラーの大きさは必要とされる消費電力、または動作音などなど)や、実装する機能(ハードウェアエンコード機能や、PixelShader 3.0サポート、3Dcといった独自機能)など、パフォーマンス以外の違いが選択項目として重要になってくるだろう。

 ただ、とにかく現時点では「さきに店頭に並んだほう」が、ユーザーに高く評価されるだろうことは、まず間違いないといえる。とにかく、早くユーザーが購入できる状況になって欲しいと、切に願うばかりだ。

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