最近のハードウェアエンコーダタイプのビデオキャプチャーカードはどれだけ便利なのだろうか。
数年前に購入したソフトウェアエンコードタイプのTVチューナー付きビデオキャプチャーカードを、TV視聴のためだけに、しかも“ながら”作業用に小さく端に表示させるためだけに使っていた筆者は、TV視聴および録画に関しては民生機でいいじゃないか、性能も使い勝手もよいし、という考えの持ち主である。
今回はその中でも異色な、ハードウェアXVDエンコーダチップを搭載するTVチューナー付きビデオキャプチャーカードとしては初となる、アイ・オー・データ機器「GV-MVP/XVD」を使う機会を得たので紹介していこう。
GV-MVP/XVDは、2003年5月に発売された、XVDエンコーダ搭載キャプチャーカード「GV-XVD/PCI」に、TVチューナーを搭載した、TV録画時もXVD圧縮によるエンコードが行えるTVチューナー付きビデオキャプチャーカードである。
XVDは、MPEG2に比べてファイルサイズを最大約7分の1ほどに小さくできるのが大きな特徴で、S-VHS相当の画質を700Kbpsほどで実現可能な動画圧縮フォーマットだ。高圧縮である分、ソフトウェアベースの場合は変換時間やCPU負荷が余計にかかる傾向にあるが、GV-MVP/XVDはハードウェアXVDエンコードチップであるTexas Instruments製の「TMS320C6416GLZ」を搭載し、視聴はおろか録画時もCPU負荷がほとんどかからないのである。
長時間録画モード時の前半にやや乱れがあるが、これは視聴→録画を行った際のCPU動作であり、録画中のものではないことをご了解いただきたい。ちなみに録画ソースは、取り組み以外の場面での移り変わりは穏やかだが、瞬間的な素早い動きが発生する相撲中継とした。とはいえ、ほとんど変化が見られないことが分かる。
まずは、TV視聴ソフトについて紹介していこう。
TV視聴/録画のための総合ソフトは、従来同梱されていたものよりバージョンアップされ「mAgicTV 4.2」となった。このバージョンアップにより、
などの機能が追加された。(2004年5月11日の記事参照)
mAgicTV 4.2のメイン画面には、TV画面表示部である「ディスプレイウインドウ」、再生/録画/早送り/巻き戻し/表示モード切り替え/ボリューム部が用意される「コントロールパネル」、EPGデータ表示/チャンネル切り替え部である「番組表ウインドウ」で構成される。TV画面表示はVGA(640×480ピクセル)サイズ、QVGA(320×240ピクセル)サイズ、フルスクリーン、3種の画面サイズに切り替えが可能となっている。
チャンネル切り替え部には現在の番組名なども表示され、マウス操作での使い勝手もなかなか。キーボードショートカットもファンクションキーでチャンネル切り替え、「+/−」キーでボリューム操作、「Enter」で録画、など分かりやすく割り当てられている。チャンネル切り替え時のタイムラグもさほどない。
ソフト起動時間は、上記環境でTV画面が表示されるまで約10秒。ただし、そのうち約7秒間は何も表示されない状態が続き、起動しているかどうかが分からないことが少々気になった。
NEC「SmartVision Pro 2 EX」では、TV画面が表示されるまでの起動時間こそは長いが、ディスプレイに「SmartVision TVを起動しています」の旨のオンスクリーン表示が出るため不安になることはなかった。もちろん慣れ、あるいはPCがより高性能なら気にならないのかもしれないが、そのようなオンスクリーン表示、あるいは起動時に電源オンの意味の音を出すなどで解消できるのではないだろうか。
EPGは、表示モード・ボリューム部のmAgicガイドボタンより「mAgicガイド」を起動し、インターネット経由で番組表取得が可能なADAMS-EPG+より取得する。
なお、常駐する「mAgicマネージャ」にて時間設定によるオートダウンロード指定も可能なので、後述する「おまかせ録画」のため必ず活用しておきたい。その際にはEPG取得画面で、「オートダウンロード終了時にダイアログを閉じる」にチェックを入れておく。ただ、オートダウンロードの設定は「mAgicガイド」もできると、より分かりやすいと思うのだが。
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