「第二章VAIO」は呼び名や形を変えただけでなく、ユーザーの利用シーンを強く意識して開発されている。VAIO type Vは「TVの画質」という点ではどの製品にも負けない、その強烈な個性が魅力となっている。
15インチモデルと17/20インチモデルは別性格の製品
ある意味、新生VAIOのコンセプトを最も強く表現しているのが、今回紹介するVAIO type Vといってもいいだろう。VAIO type Vは、その構成から見て、従来のVAIO V後継シリーズといってもいい。VAIO type Vと名称が変わっただけでなく、17/20インチモデルが追加投入されている。15インチモデルは、以前の製品とハードウェアの構成はさほど変わっていない。
その一方で、17/20インチモデルは「VAIO type Vの“V”はテレビとビデオのV」と言いたくなるほどの内容で、従来のテレビPCとは一線を画すVAIOらしい、というよりもソニーらしい「トンガリ加減」に満ちた製品となっている。今回、レビューしたのは5/24に発売されたVAIO type Vの最上位機種「VGC-V201」だ。
VAIO type Vの最上位機種。20インチディスプレイを搭載したVGC-V201。Sony Style価格は26万2500円
テレビ機能を重視したPCが欲しいユーザーならば、これらの機能がもたらす画質の改善は非常に価値のあるものになるだろう。店頭でほかのPCで表示されているTV画像と実際に比較すると、その違いは一目で分かるはずだ。VAIO type Vが家電製品で培ったソニーのノウハウを吸収した、とも言える。TV操作などのソフトウェア部分も、前述の「DO VAIO」とハードソフトがガッチリ連動している。美しく、かつ使いやすいTV機能こそVAIO type Vの真骨頂なのだ。
“テレパソ”ならぬ“パソテレ”
その意味でVAIO type VはPCというよりも液晶TVに近い製品にも思えてくる。デザインも液晶TVに似せてあり、ついているロゴが“SONY”ではく“VAIO”であるところに、わずかながらもPCであることを主張しているといってもいいほどだ。
TVとしての使い勝手は優れたマンマシンインタフェースのほかにも、すばやい起動と終了を要求する。VAIO type Vは、TVを全画面表示で行っている場合なら即時にサスペンド終了ができ、待機時消費電力も2ワットに抑えられている。サスペンド復帰もカタログ公称値で5秒(たまに手間取ることもあったが、それでも10秒程度)で、実際使っていてTV専用としか思えない感覚だった。VAIO Type Vの本領はここでも発揮されている。
ただしPCとしてみた場合、VAIO type Vのコストパフォーマンスはさほどよいとはいえない。今ではエントリークラスともいえるCeleron/2.50GHz、Intel 865GVチップセット、ハードディスク160Gバイトというスペックとしては価格が高め(でも、メモリは512Mバイトと十分搭載している)。
PCMark04(Build110)
それでも、PCがメインでなく、TVとそれに付随するAV機能、そしてWEBなどを楽しむ分にはなんら不満はない。VAIO type VはTV“も”見られるPCではなく、PCが付いているTVであり、TVの画質アップに開発コストをかけた製品なのだ。TVの高画質にメリットを感じないユーザーは「意味がない」と思うかもしれないが、人は四六時中PCと向かっているわけではない。
ただし、「PC付きTV」としてのVAIO type Vに不満を感じたところが一つある。AV機能をこれだけ用意しているにもかかわらず表示装置としての入力がS/コンポジットビデオのみというのは少ない。地上デジタル放送が真に普及した場合に、D4やDVI端子が付いていれば(PCとして陳腐化しても)ディスプレイとして延命利用ができるはずだ。