省スペース性と拡張性のバランスが秀逸――クレバリー「Compact-CB-ITM-ITM」特集:「7万円」でオーダーする激安ハイスペックPC(1/2 ページ)

» 2004年06月08日 13時51分 公開
[古田雄介(アバンギャルド),ITmedia]

 CPU、メモリ・HDD容量などの基本PCパーツから、キューブ・スリム・タワー型など筐体まで多彩なBTOメニューから自由なスペックが魅力の「ショップブランドPC」。予算に応じて構成できることで人気が高まっている。そこで、そのようなショップブランドPCを提供するPCショップに「7万円以下で、できるだけハイスペックなオススメPCを作ってほしい」と依頼し、いくつかをご用意いただいた。今回はマイクロATXのスリムケースPC、クレバリー「Compact-CB-ITM」(カスタムモデル)である。

 「Compact」シリーズは、microATXタイプのスリムケースをベースに、フロント部がヘアライン加工のカバーで覆われたメーカー製PC顔負けの高級感を持つ。最小構成例では税込み3万円強からBTO可能で、Officeやウイルス対策ソフトなどもパッケージングのが特徴のショップブランドPCだ。

クレバリー「Compact-CB-ITM」(カスタムモデル)

 今回レビューを行ったマシン構成は以下の通りとなる。

製品名 Compact-CB-ITM
CPU Pentium 4/2.80C GHz
HDD容量 120Gバイト(日立GST「Deskstar 180GXP IC35L120AVV207-0」)
メモリ容量 512Mバイト(最大2Gバイト、アイ・オー・データ機器「DR400-256M/T」を使用)
マザーボード ECS「661FX-M」(SiS 661チップセット搭載)
グラフィックス SiS 661内蔵
光学ドライブ アイ・オー・データ機器「DVR-ABP8BK
搭載スロット AGP×1、PCI×3(うち増設可能スロット×3)
主なインタフェース USB2.0(前面×2、背面×4)、10BASE-T/100BASE-TX LAN、PS/2×2
そのほか備考 FDD(ミツミ「D353(SV)」)搭載
本体サイズ 145(幅)×375(高さ)×360(奥行き)ミリ
OS なし

 今回の構成では、CPUやメモリなどの基本パーツに力を入れられている。

 Peintium 4/2.80C GHzとPC3200 DDR SDRAMのコンビで、FSB800MHzのハイパフォーマンスが約束されているのはうれしい限り。しかもメモリはBTOモデルでは珍しく、ノーブランドではなく、アイ・オー・データ機器「DR400-256M/T」が採用される。2枚差しでデュアルチャンネル構成、合計512Mバイトと容量もまあ問題ないだろう。

 HDDは120Gバイトの日立GST「Deskstar 180GXP IC35L120AVV207-0」を1基搭載。通常の使用なら十分な容量だが、シャドーベイがもう1基残されているので、大容量ドライブをもう一台増設し、テレビ録画用として使用したい場合も不安はない。また、光学ドライブには、DVD+R8倍速記録対応のDVD+-R/RWドライブ、アイ・オー・データ機器「DVR-ABP8BK」を採用する。なお、上記のパーツだけを単体で購入しても5万円以上に達しているのである。この点だけ考えてもかなりお得な構成ではないだろうか。

メーカー製PCのようなイカしたデザイン

 シリーズ共通で使われるPCケースは、ユーエーシー「UACC-T106/230SLT」を採用。アルミのボディには黒いアクリルパネルへスリットが入り、マニア心をくすぐるスタイリッシュなデザインだ。

右下にコネクタ類を備え、中央左側に光学ドライブを装着する。3.5インチデバイスは電源ボタン上の黒パネルを開けて利用する

 フロント部は、5インチと3.5インチベイ、コネクタ類がすべてパネルに覆われ、光学ドライブ搭載に関してベゼルの色を気にする必要がない。ケース全体も剛性が高く、細部の仕上げも丁寧。パネルの開閉部もズレはほとんどないうえ、サイドパネルもストレスなく開けられるなど、外形は上々の出来だ。

背面は、レガシーインタフェースとUSB端子など、スタンダードな構成

 背面には、増設スロットを4本装備する。ブック型のように増設カードがロープロファイルに限定されないのもうれしいところ。タワー型ケースの拡張性を残しつつ、できる限りコンパクトにスタイリッシュなマシンにしたいと考えるなら、理想的なケースといえる。

 電源ユニットはケース付属のSIRTEC「SFX-230M2」が装着される。総出力は230ワットと、パワーマシンを構築するにはやや心許ないかもしれないが、静音仕様であることはケースの特性上、強い助けになる(詳しくは後述する)。

内部空間にはパーツをぎっしり組み込まれるが、増設箇所はひと目で分かる

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