きょうはLGA775対応Pentium 4&Intel 925X/915Gでベンチをまわして熟考した(前編)(2/2 ページ)

» 2004年06月23日 18時25分 公開
[佐藤哲,ITmedia]
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 DDR2-533への対応も性能面で注目したいポイント。DDR2-533を利用すると、デュアルチャネル構成時に8.4Gバイト/秒という帯域幅が実現し、従来のPC3200(DDR400)によるデュアルチャネル構成における6.4Gバイト/秒に比べて大幅に向上している。

 ただし、今回のIntel 925X、Intel 915G/PではFSBが800MHz(帯域幅6.4Gバイト/秒)に据え置かれていることを指摘しておく必要はあるだろう。一般論として、FSBとメモリの帯域は、どちらか一方が引き上げられても意味はないことが知られており、性能面へのインパクトは現状ではあまり大きくないと予想される。

 ただし、内蔵GPUを持つIntel 915Gではメモリバスのみの帯域幅向上であっても意味がある。というのも、余ったメモリ帯域は内蔵されているグラフィックスコアで使うビデオメモリの帯域として利用できるからだ。このため、これまでのように、ビデオメモリにDDRを利用していた内蔵グラフィックスコアに比べて高い性能が期待できる。

 なお、Intel 915Gに内蔵されているグラフィックスコア「Intel GMA 900」は、まったく新しい設計で4パイプラインのピクセルシェーダエンジンを内蔵し、Direct X 9の要件であるピクセルシェーダ2.0に対応している(バーテックスシェーダはソフトウェアによるエミュレーション)。このため、従来の内蔵型GPUに比べるとより高い3Dグラフィックス性能を発揮する。

機能/性能の比較Intel Extreme Graphics 2Intel GMA 900
Direct X Hardware AccelerationDirect X 7.1Direct X 9
Pixel Shader非対応Pixcel Shader 2.0
Vertex Shader非対応ソフトウェア対応
Transform & Lightingソフトウェア対応ソフトウェア対応
Shadow Maps非対応ハードウェア対応
Volumetric Textures非対応ハードウェア対応
Slope Scale Depth Bias非対応ハードウェア対応
Two Sided Stencil非対応ハードウェア対応
コアクロック266MHz333MHz
Pixel Pipes1/clock4/clock
Single Textyre Fill Rate266MT/s1.3GT/s
Display PipesSingleDual Independent
ビデオメモリ(最大)64Mバイト244Mバイト
最大メモリバス帯域6.4Gバイト/秒8.5Gバイト/秒

四つのバージョンが用意されるICH6

 サウスブリッジであるICH6に関しても、多くの改良が加えられている。最も大きな改良は、Serial ATA/150のポートが従来の2ポートから4ポートに増やされたことだ。今後、HDDの市場もSerial ATAがメインになることが予想されているほか、光学ドライブに関してもSerial ATAに対応した製品が登場しつつある。この流れを考えると、Serial ATAで使えるポートの数が増えたことは、ユーザーにとってメリットが大きい。

 ただ、逆にUltra ATAは1チャネル(2デバイス)に減らされている。ドライブの対応状況を考えると、基本的にはHDDをSerial ATAに、光学ドライブをUltra ATAに接続すると考えるといいだろう。

 これまで「Azalia」の開発コードネームで呼ばれてきた新しいコーデック仕様は「Intel High-Definition Audio」と命名された。新たに24ビット/192kHz、7.1チャネルのオーディオをサポートするほか、フロントとリアでそれぞれ別の出力ができるなど、新しい機能を備えている。インテルは「Intel High-Definition AudioをPCがよりAV化するために重要な機能」と捉えている。

 なお、ICH6には標準のICH6の機能に加えて、RAID機能を追加した「ICH6R」、無線LANモジュール(IEEE 802.11b/g準拠)がバンドルされている「ICH6W」、両方の機能を備える「ICH6RW」と、複数のバリエーションが用意されている。RAID機能は、従来のRAID機能が拡張され、新たにRAID0とRAID1が一つのRAIDシステムに共存可能な「Intel Matrix Storage Technology」機能がサポートされる。

後編では、ベンチマークテストの結果からLGA775対応CPUとIntel 925X/915Gマザーがもたらすパフォーマンスの分析を行う)

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