HPがサードパーティ製メモリ不良を発表――Intel製モバイルチップ採用PC全体に波及か?

» 2004年06月26日 20時48分 公開
[IDG Japan]
IDG

 HPは、自社製ノートPCのテスト中、特定のノートPC用メモリモジュールに、重大な問題を引き起こす不具合が含まれていることを見つけたと発表した。このメモリモジュールはサードパーティ製で、HPだけではなく他社製品にも使われている可能性があるとしている。

 Hewlett-Packard(HP)は、最近見つかった設計上の問題により、自社のノートPCユーザーに対し、特定のメモリモジュールの交換を申し出る計画であることを6月25日、発表した。

 HPは特定のノートPC用メモリモジュールに、Intel製モバイルチップセットとプロセッサの電源管理技術を組み合わせた場合に動作不良を引き起こすという欠陥を発見した、とHP。

 Samsung Electronics、Infineon Technologies AG、Winbond Electronicsのメモリモジュールが該当し、Micron Technologyにはメモリクロック同期に関する別の欠陥が問題となっているという。

 Samsungは現在この問題を調査中で、他のメモリメーカーのコメントは得られていない。

 Intelのプロセッサは、特定の命令セットを必要としない場合、クロックスピードを下げたり、チップの部分的シャットダウンを行ったりする。プロセッサがこの動作を行うと、メモリモジュールはセルフ・リフレッシュ・モードに入り、1秒間に数千回、このモードのオン・オフを繰り返すという。

 メモリモジュールが問題を引き起こすのは、特定の状況下でメモリモジュールがセルフ・リフレッシュ・モードをオフにし、再びオンにしようとしたときで、その結果、メモリモジュールが落ち、システムクラッシュ、データの損失を引き起こす可能性があるという。

 Micronのメモリはメモリを高速読み出しするときに、内部メモリクロックと外部メモリクロックが同期しない状況下で不良を引き起こす。

 HP担当者は、問題が起きるのはまれだとしているが、HPでは自社ウェブサイトからユーティリティをダウンロードし、問題のメモリモジュールが使われているかどうかをテストするよう推奨している。

 HP製品で問題が起きる可能性があるモデルは、Compaq Evo Notebook N610c; Compaq Evo Notebook N610v; Compaq Evo Notebook N620c; Compaq Evo Notebook N800c; Compaq Evo Notebook N800v; Compaq Evo Notebook N800w; Compaq Evo Notebook N1000c; Compaq Evo Notebook N1000v; Compaq Presario 1500; Compaq Presario 2800; Compaq Presario x1000; Compaq Presario x1200; HP Compaq Business Notebook nx7000, and HP Pavilion zt3000。

 欠陥メモリモジュールのユーザーは、新しいメモリモジュールを交換で入手できる。問題のメモリモジュールを返却したユーザーには、32MバイトのUSB Thumb Driveが送られるという。

 HPでは上記サードパーティによるメモリモジュールを使用しており、Intelのモバイルテクノロジーを採用しているすべてのノートPCメーカーの製品でこの問題が起こりうるとしている。Dell、IBMのコメントは記事執筆時点では得られていない。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー