Page Upなどの専用キーを削ったことで、マイナスになる面も当然ある。Fnとの同時押しは慣れるまで相方の場所が分かりにくく、しばらくは同時押しを極力避ける使い方になってしまった。ただ、逆に慣れてしまうと、カーソル操作のために右手を左右に動かす動作が減り、速く入力できるようになると思う。使えば使うほどに味が出るキーボードなのかもしれない。
しかしWindows環境では、ブラウザの更新(F5)やファイルのリネーム(F2)など、ワンタッチで使えるファンクションキーを重宝することが多いのも確か。HHK支持者に聞いてみても、その点で手間が増えるのは認めざるを得ないという。
配列は英語か日本語か、日本語ならかな刻印はどうするか、接続はUSBかPS/2か、色は黒か白かといったパターンに合わせ、HHK Lite2には全部で12のモデルがある。
キーボードの使い勝手に大きくかかわるのは、英語と日本語、どちらの配列を選ぶかだ。英語配列では変換・無変換・半角/全角がない代わり、スペースキーが広め。日本語配列では「Enter」が2列分を占めている。
Enterのサイズが異なるため、英語配列と日本語配列で右側のFnの場所が違う。英語配列ではEnterの下にShiftとFnを入れているが、日本語配列ではスペースと同じ列に置いている。
HHKユーザーに言わせると、「右Fnキーは小指で押せる場所にあるべき」。同時押しの際に、同じ手の小指(あるいは親指)と人差し指(あるいは中指)で操作できる場所に置くべきだというのだ。今回紹介しているのは日本語配列のかな無刻印モデルだが、ここを重視するなら英語配列を選ぶべきかもしれない。さらに英語配列には、AltとWindows、DeleteとBackspaceのどちらを同時押しなしで出せるようにするか、モードを切り替えるスイッチが付いている。
大いに悩むところだが、Enterを押しやすいこと、カタカナの変換をやりやすいことを考えると、新規ユーザーは日本語配列から入った方がなじみやすいと思う。
HHK Lite2には、HHKやHHK Professionalにはない十字キーが付いている。既存ユーザーはFnとの同時押しがHHKの醍醐味と考え、反対の声を上げているようだが、「Lite2はHHKユーザーを増やすための廉価版。新規ユーザーの獲得を優先して取り付けた」(PFU)。
十字キーについて意見を聞いてみたところ、HHK未経験のあるユーザーは「他社のミニキーボードでは、十字キーをほかのキーと並べて置いている。HHK Lite2は十字キーを独立させているので、小指で位置を探りやすい」と答えている。
テンキーがないのでExcelなどの業務には使いづらいだろうが、テキスト入力中心なら問題ない。キーボードに違いを求めるユーザーにとっては、5880円という価格は、まずまず手ごろで背伸びしやすい水準だと思う。
机を広く使いたいけど、チープなミニキーボードではちょっと――。多少慣れが必要だが、ミニキーボードを検討中のこだわり派ユーザーには、もってこいのキーボードだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.