まずは気になるCPUとその周辺から見ていこう。
3.20GHzというクロックからMobile Pentium 4の最上位バージョンかと思ってしまいがちだが、なんとFSBが800MHz対応のデスクトップで使用されるPentium 4/3.20 GHzが搭載されている。
チップセットはSiS648FX(SiS648FX+SiS963L)で、無印SiS648と比べてハイパースレッディングテクノロジーとFSB800MHzに対応しているのが特徴。無印SiS648と同様にノースブリッジとサウスブリッジの間はMuTIOL 1Gテクノロジで接続され、1Gバイト/秒の帯域を確保している。
メモリはPC2700のDDRを使用しているが、NH90H/Tでは256Mバイトのモジュールが2枚使用されているので、メモリスロットに空きはないことに注意したい(上限は2Gバイト)。
ビデオチップにはMOBILITY RADEON 9600を使用して、ビデオメモリも64Mバイト搭載と、デスクトップと遜色ないスペックになっている。
16.1インチの液晶を搭載しているだけに本体はかなり大きく、356×301×40〜44ミリというサイズと4.7kgという重量は、会社と自宅との往復ですら持ち運ぶには辛い。完全に自宅、あるいは会社などに据え置いて、デスクトップの代替として使用するマシンといえる。
その代わりと言ってはナンだが、16.1インチの液晶ディスプレイは非常に快適だ。解像度は1400×1050ドットのいわゆるSXGA+サイズで、表面はツヤのあるタイプだが低反射コーティングがなされているために外光の映り込みなどはあまり気にならない。一般的なデスクトップ用の液晶ディスプレイは、17インチでも1280×1024ドットあたりが主流だから、この点に関してはむしろNH90H/Tのほうが優れていると言える。
ドライブ類に目を移すと、HDDは80Gバイトの東芝製MK8025GAS。2枚プラッタで8MBのバッファを搭載する2.5インチとしては高性能のドライブである。もうひとつのドライブは、DVD+-R/RWとDVD-RAM、CD-R/RWに対応したスーパーマルチドライブである。DVD-Rへの書き込み速度が最大4倍速、DVD+Rへは最大2.4倍速と、デスクトップ用の最速モデルにはかなわないものの、不満のでるようなスペックでもない。
TVやマルチメディア関係の機能では、TVとDVD-Videoなどを、Windows XPの電源を入れずに視聴できる機能があることや、ハードウェアMPEG2エンコーダを搭載していて、リアルタイムにMPEG2形式に変換できることなど、今やホームユースで必須となった機能もきちんと押さえている。
同社のコンシューマ向けPCの伝統ともいえるが、大量のアプリケーションが付属してくる。昨今のPCでは付属アプリケーションが削減傾向にあるなか、久々に見るとびっくりするほど多く感じる。もちろん、Excel2003とWord2003を含めたMicrosoft Office Personal Edition 2003も標準でバンドルされている。
また、OSについてもNH90H/TはWindows XP Professionalがインストールされていて、ハイエンド志向のマシンであることをいっそう強く印象づけている。
キーボードは、このサイズのノートパソコンだけあってピッチ間約19ミリと十分な大きさを確保している。ただ、ストロークがカタログで約3ミリとなっているわりには、さほど深さを感じられないキータッチだった。
ポインティングデバイスはタッチパッドタイプで、こちらは、ごく普通で可もなく不可もない印象である。ただ、筐体が大きいだけにタッチパッドの左右の空きが広大にあり、操作に窮屈な感じがしないのはよい。
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