きょうはRADEON X800 Pro搭載「GV-R80P256D」で「ちょい安」ハイエンドGPUのお買い得度を考えた(1/2 ページ)

» 2004年07月07日 16時52分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 超ハイエンドGPU「GeForce 6800 Ultra」「RADEON X800 XT PlatinumEdition」のパフォーマンスに興味はあるが、財布がどうにもままならない。そんな私のようなユーザーに注目の「ちょい安」GPU。ここまで、ノーマルGeForce 6800とGeForce 6800 GTを紹介してきたが、今回は、ATI陣営の「ちょい安」GPUのRADEON X800 Proを搭載したGIGA-BYTE「GV-R80P256D」でベンチマークテストを測定し、NVIDIAの競合GPUとのコストパフォーマンスを比較してみた。

GIGA-BYTEのRADEON X800 Pro搭載グラフィックスカード「GV-R80P256D」

 ITmediaでは、すでにRADEON X800 Pro搭載グラフィックスカードのベンチマークをMSIの「RX800 Pro-TD256」で行い、その測定結果を報告している。

 しかし、そのときのテスト環境は「送還直前」の緊急事態だったため、(内部の事情で申し訳ないが) いささか旧式のPC環境で測定していた。RADEON X800 Proには不公平な値となってしまった嫌いがあるので、今回改めて、「2004年のミドルレンジユーザーの一般的なパーツ環境」という想定のもと、価格が3万円台半ばまでこなれてきた「Pentium 4/3.20E GHz」をキーパーツにテスト環境を再構成し、これまで測定してきたNVIDIA陣営の「ちょい安」ハイエンドGPUと同じ条件で、再度RADEON X800 Proのベンチマークを行った。

 スペック的に競合するノーマルのGeForce 6800搭載製品がDDR 128Mバイトであるのにたいし、今回、測定する「GV-R80P256D」のビデオメモリ容量はGDDR3の256Mバイト。3DMark03でなどの主要な3Dベンチマークテストでは、128Mバイトでも256Mバイトでも結果に差が出ることはない。パフォーマンス的な相違はないように思われるが、最近の3Dゲームでは扱うテスクチャのデータ量が膨大なものになっているため、グラフィックス関連の設定によっては、256Mバイトのメモリを搭載していないと動作しないケースが出始めている。

GV-R80P256Dに実装されているビデオメモリはSAMSUNGの「K4J55323QF-GC20」このシリーズはGDDR3搭載グラフィックスカードでお馴染みのもので、「GC20」はK4J55323QFシリーズで最もローレンジのタイプ。最大クロックは500MHzでピンあたりのデータ転送レートは1Gbps

 例えば、今回ベンチマークテストとして実施しているTOMBRAIDER the angel of darkness(以下 TOMBRAIDER AoD)で、アンチエイリアス設定や異方性フィルタリングを有効にするとビデオメモリ容量が128MバイトのGeForce 6800搭載カードは高解像度でゲームが動作しなくなるなどの、設定による限界が見えてきている。

 パーツショップの声を集めてみても、ユーザーの選択基準に「256Mバイトのビデオメモリ」という項目が多くなっているようだ。最新の3Dゲームを重負荷設定で楽しみたいユーザーにとって、256Mバイトのメモリは必須という状況になりつつあるようだ。

 RADEON X800 Proは、その上位バージョンである「RADEON X800 XT Platinum Edition」からスペックダウンしたもので、AGP対応のラインアップだけに用意されたGPUだ。メモリ周りの仕様や、VertexShaderユニットの数などは上位GPUと同じだが、動作クロックはコアクロック475MHzにメモリクロック900MHzと、上位GPUの520MHz/1.12GHzから低く設定され、有効なパイプラインの本数も12本と上位GPUの16本から減らされている。

 このあたりの変更はNVIDIAのGeForce 6800 Ultra/GeForce 6800 GT/GeForce 6800も同様。GeForce 6800はコアクロック375MHzにメモリクロックが700MHzと低くなり(GeForce 6800 Ultraはそれぞれ400MHzに1.1GHz),パイプラインの数も16本から12本へと減っている。

 両陣営の廉価版ハイエンドGPUのスペックを比較してみると、以下のようになる。

GeForce 6800 GTGeForce 6800RADEON X800 Pro
コアクロック350MHz325MHz475MHz
メモリクロック1.0GHz700MHz900MHz
ビデオメモリGDDR3DDRGDDR3
Vertex Shader666
Pixel Pipe161212

 GeForce 6800 GT、GeForce 6800、そしてRADEON X800 Pro。アーキテクチャ的にスペックダウンしているRADEON X800 Proだが、動作クロックに関してはNVIDIA陣営に対して優位に立っている。この違いが実際のパフォーマンスにどのように影響しているのだろうか。ベンチマークテストの結果を見ることにしよう。

ベンチマークシステム環境
CPUPentium 4/3.20E GHz
マザーボードMSI 865PE Neo-P
メモリPC3200 256MB×2ch
HDDDiamondMax Plus9(120GB)
OSWindows XP Professional +SP1

3DMark03 Score

3DMark03 GT1

3DMark03 GT4

3DMark03 Fill Rate(Single)

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