2004年のフォトエキスポで実物を見た途端、無性に欲しくなったのがこの「ローライフレックス ミニデジ」(以下、ミニデジ)である。そのミニチュアっぷりがよかったのだ。
クルマでも飛行機でも電車でもそうだけれども、金属製のミニチュアって根強い人気があって、私もときどき(クルマが好きなわけでもないくせに)ミニチュアカーの店を覗くが、よくできたミニチュアはそれだけで物欲をそそる。同じ縮尺でも3980円のミニチュアと9800円のミニチュアは質感から塗装からディテールまで全然違う。細かいところまで凝った作りのミニチュアは、それだけでモノとしてのよさがあるのだ。
ミニデジを観たとき、それを強く感じたのである。カメラがまだ普通の人にはなかなか買えなかった時代のメカメカしさや質感がうまく凝縮されていたのだ。
しかもミニチュアとしての質感や面白さを保ったまま、その中にデジカメを仕込み、「写真を撮ることもできるミニチュア」を実現していたのである。
当初のアナウンスよりやや遅れて7月1日に発売されたミニデジを早速購入して使ってみたが、やはり思った通り、ミニチュアとしての質感にあふれていた。
「ミニチュア度」と「デジカメとしての実用度」の比率は7:3くらい。もしデジカメとしての機能や実用性を重視した設計にしていたら、このミニチュアっぽい質感は出せなかっただろう。ミニチュアとしてのよさがあるからこそ、首からぶら下げて街を散歩しようという気になるのだ。
では本体の写真を見ていただこう。
高さは7.3センチ。幅は4.5センチで奥行きは4.9センチ。ミニチュアらしい小ささだ。でも質感はかなりあり、100グラムと見た目よりはずっしりしている。
正面にはROLLEIFLEXのロゴ。レンズがタテに2つ並んでいるが、上のレンズはダミーで使用するのは下のレンズだけだ。下のレンズの左下と右下にシャッターボタンと撮影・再生切替ボタンがついている。
構えた状態で左側面にはつまみがたくさん並んでいるが、どれもダミーで、くるくる回るだけで実際には動作しない。
右側面にはフィルム巻き上げ用のクランクレバーがある。これはダミーではなくてちゃんと生きている。なんとデジカメなのに1枚撮るごとにこれを手で回さないと次の撮影ができないようになってるのだ。ボディに付いている多くのボタンはダミーなのだが、ツボは外さないのである。1枚撮るごとに回すというアナクロな操作が、けっこう楽しいのがポイントだ。
さらにこちらがわに小さく電源ボタンがある。
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