女性ウケする新LUMIXで「オリンピック後も高成長」

» 2004年07月21日 21時04分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「松下はオリンピック後も大丈夫」――7月21日、デジタルカメラ新製品4機種投入を発表した松下電器産業の常務役員・牛丸俊三パナソニックマーケティング本部長は自信を見せる。

 オリンピック需要のおかげで、DVDレコーダー「DIGA」や薄型TV「VIERA」が好調な同社。デジタル家電など、パナソニックマーケティング本部が扱う製品の6月の売り上げは前年同月比38%増。7月はさらに伸びる見通しだという。

 一段落つく8月末にはデジカメ4機種を一気に投入。高成長を持続させる戦略だ。

女性とシニアを狙う新LUMIX

 同社が“五輪後”のターゲットに定めたのは、女性とシニアだ。

 同社によると、デジカメユーザーの3割が女性。女性に人気の高いコンパクト機種のシェアは、3年で39%から66%に伸びている。

 若い女性向けには小型でスタイリッシュな「DMC-FX7」「DMC-FX2」を「ハンドバックの中の必需品」に。12倍ズーム&300万画素「DMC-FZ3」は母親向けだ。「“ヤンママ”でもイライラしない、小型軽量な高倍率ズーム機」(牛丸本部長)で、運動会向けの需要を取り込む。

発表会場で。女性のハンドバックに入るサイズの「DMC-FX7」
「DMC-FZ3」は運動会での利用を見込む

 市場の32%を占める50代以上のシニア層は、12倍ズーム&500万画素「DMC-FZ20」でカバー。銀塩からの乗り換えも増えているシニア層には高機能機種が人気。国内デジカメ需要の40%を占めるという買い換え・買い増しに対応し、シニアの“2台目”を狙う。

 新製品は、国内・海外で同時に発売。一巡した国内需要は今後はさほど期待できないため、海外販売の本格化でカバーしていく。実数は未公表ながら、本年度は世界販売台数を前年度2倍にまで引き上げる計画だ。

 さらに国内シェアも昨年度の6%から飛躍的に伸ばせると見込む。2006年度中に10%に引き上げる目標を立てていたが、「目標達成は今年秋にも前倒しできそう」(牛丸本部長)。

 国内デジカメ市場がさらされている価格下落の波も意に介さない。「松下は“デフレファイター”。光学12倍ズームや光学手ぶれ補正など、独自技術で低価格品と差別化し、デフレには飲み込まれない」(牛丸本部長)。

デジカメ売れればDVDレコーダーや薄型TVも売れる?

 同社のデジカメ戦略は、DIGAやVIERAにまで波及する。

 「PCに画像を保存する人は減っている一方、画像をダイレクトプリントしたり、SDカードのまま保存する人が増えている」(牛丸本部長)。SDカードに保存したデータをTVに出力し、TVに接続したプリンタでプリントしたり、DIGA経由でDVDメディアに保存するというスタイルを提案。デジタル製品全体を底上げしていく作戦だ。

デジカメをリビングに

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