Blu-ray Discの2層記録に対応したレコーダーが発表されて約1カ月。対するHD DVD陣営にも動きが見られた。
7月26日、東芝、NEC、メモリーテックがHD DVDに関する説明会とデモを実施。その中で、マイクロソフトや、コンテンツ制作会社のポニーキャニオンがHD DVDへの取り組みを説明した。
ポニーキャニオンはHD DVDソフトの発売を決定。藤原竜也主演の「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」、「virtual trip THE MOVIE 地球の大自然 FASCINATING NATURE」「virtual trip HDシリーズ」をHD DVDのパッケージソフトとして2005年中に発売する。
同社 映像事業本部 映像制作1部 部長の大柳英樹氏は、「Blu-ray DiscとHD DVD、どちらが勝つかということに関心が集まってしまうとは思うが、2種類のフォーマットがあることは競争が生まれることであり、歓迎すべきこととも言える」と次世代DVD規格については“競争”を歓迎するコメント。
「次世代DVDの魅力は高画質・大容量。今のユーザーが画質にどこまでを求めるか? という意見もあるが、制作の現場からすればまだ改良の余地がある。また、大容量化が進めば、DVD-Boxを1枚のディスクに収録したりといった新しい商品が開発される可能性もある」と次世代DVDディスクの可能性を歓迎する。
HD DVDソフトの価格は「現行タイトルが3800円前後なので、同価格帯を考えている」とのこと。ただ、大容量を生かした特典映像などがつく場合にはプラスになる可能性があるという。
マイクロソフトの矢嶋利勇氏(シニアエグゼクティブアドバイザー)は、「PCにHighDefinitionの波がやってくることは必然」としながらも、LongHornについては映像コーデックとしてVC-9(V9)を推進する立場から、VC-9に対応するHD DVDを支持する立場を明らかにした。
会場ではNECの開発したPC用HD DVD/DVDコンパチブルプレーヤーによるDVD再生デモも行われた。OSにWindows XP Media Center Editionを搭載したこのマシンでは、コーデックにはVC-9が用いられており、ビットレートは12Mbps(1080/24p)。
映像や音声の帯域が広くなると機器への負担も気になるが、今回の説明会でコンシューマー向けHD DVDプレーヤーのデモを行った東芝によれば、「デコードよりエンコードのほうが負担が大きいのは確かだが、ほぼ問題ないと考えている」とのことだ。
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