さて次は、同システムを利用して、実際にレコーディングを行ってみた。バンドの構成は、ボーカルギター、ベース、ドラムの3ピースバンド。
接続は以下の通り。
ドラムのキック、スネア、トップ、ギターを外付けのマイクプリアンプに接続し、それをAudoDockの背面に接続。ボーカルとベースをAudoDockの前面についているマイクプリアンプに接続する。また、AudoDockの背面にコンポなどを接続しておけば、作業中の音源をモニター可能だ。
このようにしてE-MU 1820mシステムに接続し演奏した音源を、Cubase VSTで録音/ミックスし、WAVELAV Liteでマスタリングした。各音源は、接続したコンポから再生可能だ。なお、自分が使い慣れたシーケンスソフトがASIO、WDAなどに対応していれば、それらも利用できる。
付属ソフトが最新版の「Cubase SX2」ではないのは残念だが、Cubase VST 5.1は、機能制限もなくフルバージョン。リバーブ、コーラス、ディレイなど、基本的なエフェクトが揃っており、使い勝手は良い。また、特にコンプレッサー、ゲート、EQなどのダイナミックス系は不自由しなかった。
そして、出来上がったデータは、PCに内蔵されたドライブでCD-Rに保存する。これで完成だ。E-MU 1820mシステムに、手持ちの外付けのマイクプリアンプを加えただけで、レコーディング作業ができてしまった。もちろん、外付けのマイクプリアンプはなくても大丈夫だ。
E-MU 1820mシステムを実際に使ってみて、ずばり、これがあれば中・上級レベルのPCでのレコーディング作業は行えると実感した。
例えば「PCで音楽作業」という場合は、シーケンスソフト、オーディオインタフェース、MIDIインタフェースの3点のほか、各種音源やMIDI鍵盤、マイクなどをそろえる必要がある。
しかし、E-MU 1820mのシステムがあれば、シーケンスソフト、オーディオインタフェース、MIDIインタフェースの役割がこれですべてまかなえてしまう。
入出力端子も18in/20outと豊富なため、アイデア次第でさまざまな使い方が可能だ。Windowsのみしか対応しないということで、ユーザーは少々狭まってしまうが、対応環境にあるユーザーには、ぜひお勧めしたい製品だと思う。
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