今夏のPC用水冷システムは「プラスα」機能の搭載が流行となっている。
自作PCパーツとしての水冷システム自体は、数年前よりいくつかの製品がリリースされてはいるが、今夏の流行として、基本機能に加えて「プラスα」の機能にも注目が集まっているようだ。そのような製品の中から、さらに個性派モデルをピックアップして、冷却性や静音性など多角的に比較していくことにする。
「AquariusIII A1681」(以下、AquariusIII)は、2003年10月に日本支社ができたばかりの冷却パーツメーカー、サーマルテイクから登場した外付け水冷キットだ。
AquariusIIIは、フロントにCPUと冷却水の温度モニタ、そしてラジエータに設置するファン用のファンコントローラを搭載するのが「プラスα」機能となる水冷システムだ。LGA775をはじめ、mPGA478、Socket-A、同754、同939、同940対応のCPU用アタッチメントが付属する対応CPUの多彩さも特徴となっている。
ラジエータに設置するファン回転数は2000〜6000rpm前後に調整可能で、騒音レベルは最低回転数時で21デシベルとなる。
では、早速取り付けてみよう。
AquariusIIIは、PCIブラケットを介してチューブと電源コネクタを外部に出す仕組みとなっている。
今回の組み込みシステムは、Intel 915Gチップセット採用マザーにPentium 4 550を搭載する現在最新のLGA775システム(機材提供:クレバリー)、Intel 845GEチップセット、Pentium 4/2.40B GHz搭載システムとした。
まずはマザーボードを外し、CPUソケットを取り外す。H字プレート1枚とクッション材をマザーボードの裏にあてがい、ソケット部分の穴にねじを通す。
CPUブロックにもう1枚のH字プレートをはめて、チューブを装着する。チューブには「IN」「OUT」と冷却水路をが示されているのも気が利いている。チューブの接続部は、金属バンドで固定する。このバンドを指で挟んで広げるにはかなりの力が必要だが、逆に水漏れやチューブ抜けが絶対にあってはならない部分なので、この固さは納得といったところだ。
次は、チューブをPCIブラケット部から外に出す。ブラケットの内側に伸びている5ボルト電源コネクタを接続し、CPU温度センサーをCPUブロックに貼り付ける。外部に置く本体も同様の手順でチューブを接続すれば基本準備は完了だ。
工作好きにはここが一番面白い部分だ。
本体とPCIブラケットには、そのジョイント部に水路を遮断できる元栓が付いている。まずはこの元栓を開き、冷却水を水路に行き渡らせるため、本体とPCを起動する。水漏れをチェックしながら、給水タンクを開けて冷却水を補充していく。
取り付けは以上で完了だ。気をつけるべき部分は、水漏れと(水冷システムに限らないが)CPUブロック取り付け時程度であろう。
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