PCI ExpressネイティブのエントリーGPU「GeForce 6600」ファミリー──SLIは「年内に対応」(1/2 ページ)

» 2004年08月23日 20時37分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 GeForce 6600はGeForce 6シリーズのエントリークラス向けのラインアップ。ハイエンドシリーズである「GeForce 6800 Ultra」「GeForce 6800 GT」「GeForce 6800」と比べると、パイプラインの数を16本(GeForce 6800は12本)から8本に減らされ、メモリインタフェースも256ビットから128ビットと変更されている。

 しかし、Shader 3.0やUltraShadow IIなど、GeForce 6800ファミリーがサポートしている描画機能はGeForce 6600にもすべて継承されている。

 GeForce 6600搭載グラフィックスカードは「GeForce 6600 GT」「GeForce 6600」のラインアップが用意される。GeForce 6600 GTとGeForce 6600のGPUアーキテクチャは共通であるが、コアクロックがGeForce 6600の500MHzに対してGeForce 6600は300MHzに抑えられている。

開発コード名「NV43」と呼ばれていたGeForce 6600ファミリーは、高クロック駆動でSLIインタフェースコネクタを持つ「GeForce 6600 GT」と、クロックを抑えてコネクタを持たない「GeForce 6600」の2種類が用意された

NVIDIAがGeForce 6600のアドバンテージとしてアピールする「DOOM 3」との親和性。ミドルレンジクラスの価格帯でも、フルオプションでハイパフォーマンスを発揮する

同じ価格帯のミドルレンジGPUと比較した3DMark03における相対性能。なぜかGeForce 6600 GTのグラフが「黒い棒」となっているため、至極分かりにくいのだが、従来機種と比べて3倍程度のパフォーマンスを発揮している。アンチエイリアスや異方性フィルタリング設定を重くすると、相対性能がより開く傾向があることもグラフは示している

 NVIDIAが各グラフィックスカードベンダーに提示するリファレンスカードデザインにおいて、GeForce 6600 GT搭載カードはマルチGPU技術である「NVIDIA SLI」に対応するカード間接続の「高速デジタルインタフェース」用コネクタを実装するが、GeForce 6600ではこのコネクタを実装しない。

 GPU内部にSLI用のインタフェースを内蔵しているにもかかわらず、GeForce 6600を搭載するグラフィックスカードはSLIを利用できないわけだが、このあたりの事情について、NVIDIAのジェイソン・ポール氏(デスクトップGPUプロダクトマネージャ)は「GeForce 6600でSLIに対応しないのは、技術的な理由ではなくマーケティング的にGeFore 6600 GTとの差別化を図るため」と説明している。

 これまでNVIDIAのPCI Expressに対する基本姿勢であった、AGP-PCI Expressブリッジチップともいえる「HSI」を廃して、PCI Express ネイティブ対応になったこともGeForce 6600の大きな変更点として注目したいところ。

 HSIチップを実装しなくなったおかげで、カードのフットプリントや消費電力が抑えられる(これは発熱量の削減にもつながる)ことが予想されるが、実際、GeForce 6600搭載カードは、カードサイズやチップクーラーのサイズをGeForce 6800よりも削減し、消費電力が少なくなったおかげで外部電源用のコネクタを必要としないことをNVIDIAはアピールしている。

 NVIDIAはGeForce 6600 GT搭載グラフィックスカードのストリートプライスを約200ドルと紹介している。今回、発表会に製品展示ブースを構えていたカードベンダーに聞いてみると「GeForce 6600 GT搭載製品で2万5000円弱、GeForce 6600搭載製品で2万円を少し超える程度」と述べるところが多かった。また、気になる出荷時期については、先にGeForce 6600が9月中旬から下旬にかけて登場し、GeForce 6600 GTが10月に登場する見通しだ。

GeForce 6600のメリットとしてNVIDIAはビデオプロセッシングのクオリティもアピールしている。ゴーストが多発していた縦スクロールするテキスト表示も、GeForce 6600ではくっきりと表示されている

意外と時間がかかるSLI対応

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