大方の予想よりも早く、パーツベンダーが「新製品全面攻勢」をかけてくるPCI Express対応プラットフォーム。しかし、パーツショップでは「まだまだ、Intel 875P/865ファミリーマザーの売り上げが多い」という声が多い。PCI Expressへの移行を渋るユーザーが挙げる大きな理由の一つが「PCI Expressに対応したハイエンドグラフィックスカードがない」ということ。
NVIDIA陣営のPCI Express対応製品は、「NV45」ことPCI Express対応GeForce 6800が存在するものの、店頭に未だ登場せず。それよりも先に、先日発表されたばかりの「NV43」ことGeForce 6600が9月後半から10月にかけて店頭に並ぶ見通しとなっている。
そのため、NVIDIA陣営で現在入手できるのは、旧式GPU(といっても2003年に盛り上がったGeForce FXファミリーなのだが)を搭載するGeForce PCXシリーズのみという状況だ。
一方のATI陣営は、ハイエンドからバリュークラスまで、いち早くPCI Expressネイティブ対応のラインアップを発表していたが、こちらもミドルレンジクラスのRADEON X600XT搭載カードが早い段階で登場したものの、新世代GPUであるRADEON X800ファミリーを搭載したカードはなかなか店頭に出てこなかった。
以上が、PCI Express対応プラットフォームのウィークポイントであるハイエンドグラフィックスカードの状況であったが、ようやく、ここに来てRADEON X800XTを搭載した製品が店頭に登場し、AGPプラットフォームと肩を並べることができた。今回は、そのPCI Express X16対応ハイエンドグラフィックカードの一つである、ASUSの「EAX800XT」を紹介しよう。
EAX800XTが搭載するRADEON X800XTは今年5月に発表されたGPUのPCI Express対応バージョン。PCI Express対応のRADEON X800シリーズは2種類用意されており、RADEON X800XTはそのエントリーモデルという位置付けになっている。
コアクロック500MHzにメモリクロック1GHz。上位モデルのRADEON X800XT Platinum Editionの520MHzと1.12GHzから低めに設定されているが、16本のピクセルパイプラインに6ユニットのバーテックスシェーダ、256ビット幅でGDDR3をサポートしたメモリバスなど、内部構造は同じである。
ちなみに、「ハイエンドシリーズのエントリークラス」といったラインアップ的位置付けが競合するNVIDIAのPCI Express対応GeForce 6800 GTは、コアクロック350MHzにメモリクロック1GHzとコアクロックが低めであるが、メモリクロックや16本のピクセルパイプライン、256ビット幅のGDDR3サポートメモリバスなど、こちらもほぼ同じスペックだ。
今回も、EAX800XTのパフォーマンスを定番ベンチマークテストである「3DMark03」「AquaMark3」「TOMB RAIDER angel of darkness」を使って、軽負荷、重負荷の設定ごとに測定するが、比較対照としては未だ店頭に登場していないが、日本で入手できたPCI Express対応GPUで最もハイエンドであるGeForce 6800 GTと比べてみることにした(先日のGeForce 6600国内発表会で動くカードの存在が確認されたPCI Express対応GeForce 6800 Ultraは残念ながら国内で入手することができなかった)。
なお、EAX800XTに適用したグラフィックスドライバであるが、今回は製品パッケージに添付されてきた「6.14.10.6458」を使ってベンチマークテストを行っている。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Pentium 4/540(3.2GHz) |
マザーボード | Aopen i915Gm-I |
メモリ | PC3200/512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP1 |
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