5インチベイ搭載、生PEG再生対応――自作するビデオプレーヤー「DVDCUBE」を試す週末アキバPick UP!レビュー(1/2 ページ)

» 2004年09月01日 17時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

外付けドライブケースがそのままビデオ&オーディオプレーヤーに

 PC用の小物パーツでお馴染みのGroovyから登場したちょっと変わったUSB2.0対応ドライブケースが「Groovy DVDCUBE(GR-DVX001)」(以下、DVDCUBE)。単体でビデオやオーディオ再生機能を持ち、5インチベイを備えるのでHDDに加えてDVDドライブなども内蔵できる。マルチメディアコンテンツをPCでダイレクトに書込み、そのままリビングに持ち込んでAV機器で再生するとといった面白い使い方ができるのが特徴となっている。

photo こうやってみると何の変哲もないドライブケース。今時のドライブケースとしてはちょっと大き目かな、と思える程度だ
photo 背面は、S-Video出力も備えるAV出力、同軸コアキシャル出力、USBポートを備える。電源スイッチも背面だ
photo 付属のACアダプタは今時のコンパクトなノートPC用よりちょっとだけ大きい程度。USBケーブルとAVケーブルも付属

 再生可能なフォーマットはMPEG-1/2、MP3、WMAとなっており、DVD-VideoやVideo CD、音楽CDの再生にも対応する。MPEG-4再生はサポートしていないが、姉妹製品としてMPEG-4再生対応の「DVDCUBE+MPEG4」も9月に発売が予定されている。

 5インチドライブを内蔵可能ということもあり、外付けドライブケースとしてはちょっと大きめ。本体の高さは5インチドライブの約1.5倍ほどとなるが、この背の高い部分にAVプレーヤー機能の基板が収められている。ただし、幅はほぼ5インチドライブサイズなので、設置に困るといったサイズではない。縦置きは配慮されていないが、構造的には問題なさそうだ。

 ドライブの組み込みはちょっとばかり面倒。底面カバーを外してドライブを組込みんで固定するわけだが、電源ケーブルやIDEケーブルは本体側の基板から出ている。つまりドライブを底面カバーに固定して、本体と合体させつつケーブルの接続を行う必要がある。単なるドライブケースとは異なり、内部基板が大きい都合なのだろうが、もうひと工夫欲しいところだ。

photo まず底面パネルにドライブを固定し、組込みながらIDE、電源ケーブルを接続する。手探りとまではならないが、ちょっと面倒だ

 ドライブを組込んだら、あとはPCとUSB接続して電源を入れればドライバレスで(Windows 98SE以降)、USBマスストレージクラスとして認識される。ちなみにDVDドライブなどを組込んで外付けドライブとして利用している時も、付属するリモコンでトレーの開閉ができるのはちょっと便利かもしれない。

photo これが付属のリモコン。PCに接続して外付けドライブとしての利用中も、リモコン右上の「EJECT」ボタンによるトレイの開閉だけは機能する。ちなみに電源は、AVプレーヤー機能部の電源をオン/オフするためのもので、ドライブとしての電源制御を行うものではない

DVD-Video&生PEGプレーヤーとして使える。ただしDVD-VRフォーマットには非対応

 せっかくの5インチベイなのでまずはDVDドライブを組込んでみようと、組込んでみたのが、カートリッジタイプDVD-RAM対応のスーパーマルチドライブ、松下電器産業「LF-M721JD」(ITmedia Shoppingで価格をチェックする)だ。家庭用DVD-RAMビデオレコーダーで録画したDVD-RAMが再生できれば結構便利かも、という目論見付きである。

photo フロントカバーをクリーム色のものに交換し、LF-M721JDを組み込む。ブルーに光る電源LEDの下がリモコン受光部となっている

 しかしこの期待はあっさり裏切られてしまった。どうもDVD-VRには対応していないらしい。DVD-VRで録画したDVD-RAMやDVD-RWメディアを挿入すると「DVD-VRですよ」とご丁寧に画面表示してメディアを排出してくれる。DVD-VRであることまで認識しているのに、ちょっともったいない。

photo DVD-VRフォーマットで書込んだDVDメディアを挿入すると、このようにDVD-VRであることを検知して自動的に排出されてしまう。残念無念

 もっともDVD-Videoはもちろん、MPEG-1/2ファイルをそのままレコーダブルDVDメディアに書込んだファイルは問題なく再生可能で、いわゆる「生PEGプレーヤー」として利用できる。2/4/6/8/16倍速での早見、早戻しが可能で、最速の16倍再生でも内容の確認は十分できる。スロー再生やコマ送りもサポートしている。

 筆者はPCで録画したものは、DivXにエンコードしてビデオサーバに保存、オリジナルのMPEGファイルは安価なDVD-Rにバックアップするという使い方もしているので、そのDVD-Rから生PEG再生ができるのはかなり便利である。もちろん、DVD-Video化しておけば汎用性はあるのだが、DVDへの書き込みが高速化した昨今は、DVD-Rへの書込み時間よりDVD-Videoへのオーサリングに時間を要してしまうので、MPEGファイルのまま記録し、そのまま再生できるのであればそれが手っ取り早いことは間違いない。そのため、生PEGの再生機能はかなり重宝するユーザーは多いだろう。

 PCにUSB接続すると、DVDドライブとして問題なく認識、ライティングソフトからも問題なく認識された。また、DVD-Rへ8倍速記録を行ってみたが、書き込み速度も内蔵した場合とほとんど変わらない。DVDCUBEは、レコーダブルDVDドライブの外付けケースとしても安心して使えそうだ。

photo 「Nero CD/DVD-Speed」のデータディスク作成でも無事8倍速書込み完了。ちなみにグラフがギザギザなのはLF-M721JDがWOPC(最適な書き込み条件を感知し、ドライブを一番効率良い電力に調整する機能)採用なので発生する事象。念のため

(次ページ:HDDを内蔵し、HDDビデオプレーヤー機能を試す)

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