LCD表示「も」可能なファンコントローラ──「SCYTHE LCDマスター LM01」ファンコントローラ(1/2 ページ)

» 2004年09月03日 21時34分 公開
[河野寿,ITmedia]

 Scythe(サイズ)が発売するLCDマスター LM01(以下 LM01)はブルーブラックとグリーンイエローの2色がラインナップされている。どちらも実売価格で6000円前後と、比較的大型のLCDパネルを搭載したコントローラとしては標準的なお値段といえよう。

 5インチベイに取り付ける本体のほかに、ソフトウェアが収録されたCD、4本のケーブル、交換用のパネル(ブラック)、ドライブベイ枠への取り付けネジなどが同梱されている。なお、本体には標準でシルバーのパネルが取り付けてあるが、これを取り外してパネルなしにすると地の色(ホワイト)になる。もし、ノーマルな白い筐体を使っているなら、このようにパネルなしにすれば違和感もないだろう。

同梱の黒いパネル。標準ではホワイトシルバーのパネルが取り付けられている

 LM01の前面部には、二つのつまみとLCD表示部があるのみだ。左右に配置されたこのつまみを使って、CPUやケースの冷却ファンを調整する。これ以外は、とくにスイッチなどもついていないので、LCD Master側からはファン以外のものを制御することはできないようだ。

 念のためパッケージに書かれてある文章を読むと、前述したファンコントロール機能のほかに、システム監視ソフトによるLCD表示機能、MBM(Mother Board Monitor)によるシステムモニタリング機能、そしてMP3ビジュアライゼーション機能も持っている、とある。どうやら、ファンコン以外の機能とは、つまるところLCD表示に関わるものであるらしい。

 しかし、店頭で、これだけのパッケージの説明を読んでも、このLM01でできることが、今ひとつわからないと思う。私だってそうだった。そこで、もう少し詳しく見ていくことにしよう。

 最初にファンコントロール機能である。

 これは前述したように、左右にあるボリュームでコントロールする。パネルの裏側を見ると、基板の上にトランジスタとコンデンサ抵抗などで構成されたシンプルな回路があるだけで、これで制御しているようだ。基板上にあるUSBのコネクタとは繋がっていないので、単に電圧を変化させているだけのように思われる。

 ということは、ボリュームつまみを回せばファンの回転数を変えることはできるものの、そのときの回転数を回路で検出して表示するような芸当はできそうもない。

裏側からは基板のパターンしか見えないが、シンプルな回路であることはわかる

 ということで、興味は表示回路へシフトする。

 表示部分の回路は、ファンのコントロール部分に比べれば若干複雑なようだが、ICの表面に文字が印刷されていないため詳細は不明。そのほかの部品などから察するに、ほとんどは文字表示だけの回路のように思われるのだが。

 延々と基板を睨んでいてもしかたがないので、実際に接続してみることにした。LM01の本体にあるUSBのコネクタと、PCのUSBコネクタを接続する。パッケージにはケーブルが2種類入っている。一つはマザーボード上の5ピンのUSB端子に接続するためのケーブル、もう一つは一般的なUSB外部端子へ接続するためのケーブルである。最近のマザーボードで基板上にUSB端子の出ていないものはまずないだろうが、同梱されているケーブルのどちらかを使えば必ず接続できるはずだ。

 USBとLM01を接続し、二つあるファン用コネクタの一つにCPUファンを接続してPCの電源を入れてみた。USBのヒューマンデバイスとして認識されるようだ。ドライバは標準ドライバでOKなようで、とくにCD-ROMからドライバを入れる必要はない。

 LCD表示部分には「WELCOME TO SCYTHE」という文字と、山形になったイコライザーのようなバーが表示され、「をを、イコライザー機能もついているのですかっ!」と期待が高まる。

 で、この後、表示が切り替わるのかと思って20秒ほど待ってみたが……、なにも起こらない。どうやら、電源を入れただけでは、「Welcome」が表示されて終わり、のようである。

 ちなみに、ボリュームをひねってもLCDの表示はそのままだったが、CPUファンの音が「ぶぃーん」と高まったことで回転数が上がっていることがわかった。

ずっとこのまま

こちらはブルーブラックモデル。同じくずっとこのまま

 この時点で、「どうもこれはソフトウェアを導入しないと始まらないらしい」と気づいたのだが、そんな私は鈍すぎだろうか?

 とにかくA4用紙1枚にきわめて簡潔にまとめられたマニュアルを読んでみる。読み進んでいくが、なかなかソフトウェアに関する記述に出くわさない……。おっと、最後の1行でようやく触れてあった。

「添付のソフトウェア使用法に関しては、LCDマスターソフトウェアCD-ROM内のマニュアルをお読みください」

 奥歯に物が挟まったようなこの言い回し。「……何か隠しごとがあるのでは?」と予感が頭をよぎるが、とにかくCD-ROMにアクセスしてみる。中にはsetup.exeと、HTML形式で書かれたマニュアルがあった。

 HTMLのマニュアルによれば、インストールはこのプログラムを実行するだけでよいらしい。で、さっそく実行。インストールはすぐ終了するので、今度は「スタート」メニューに登録された「LCD Master」というプログラムを実行してみる。

 立ち上がったウィンドウにタブがいくつか表示されているのだが、この状態でLM01のほうを見やると、LCD部分に「Nice to meet you. Enjoy yourself.」と表示されているではないか。このソフトウェア上で入力された文字がLCDに反映されるらしい(表示されたのはデフォルトで入っていた文字)。試しに適当な文字を入れて「submit」ボタンを押すと、すぐにLCDに反映された。原始的だがなかなか楽しい。

TEXTタブ(TEXTセクション)の画面

LM01に文字が表示される
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー