東芝から発売する新ノート「dynabook WX/3727CDS」は、これまでAV機能と連携して注目されてきたワイドサイズの液晶ディスプレイをビジネス用途の作業でも有効に活用することを目的に開発されたシリーズである。
OSには最新のセキュリティ機能を備えるWindows XP Home Edition SP2を導入している。なお、今回は試作機を評価したので、仕様面などで異なる可能性がある点を予めお断りしておきたい。発売予定日は9月17日、実売予想価格は20万円前後と、大サイズの液晶ディスプレイを搭載しながらも、多くのユーザーが買い求めやすい価格に設定されている。
dynabook WXが搭載するワイド液晶は17インチサイズのSuperView液晶。いま流行りの"ツルツル"とした光沢のあるパネルで、DVD鑑賞にも向いている。最大解像度は1440×900ドット。ワイド液晶を搭載するノートPCというと、15.4インチワイド液晶ディスプレイに解像度が1280×800ドットという製品がほとんどであるため、それらと比べると一回り大きい印象を受けた。
この17インチのディスプレイ。実際に使ってみると、これが数値以上に「広く」感じる。たとえば、Excelを使っていても横スクロールが必要になる状況がぐんと少なくなって非常に快適、というワイド液晶パネルでよく紹介されるケース以外でも、Webブラウジングにデジカメで撮りためた画像の整理や、やたら長くなってしまったマイミュージックのファイルリストなどなど、横幅の広さ(そして解像度の多さ)の重要性を再認識させられる。
大サイズ液晶ディスプレイを搭載したノートPC、というと画面から受ける圧迫感が苦痛に感じるユーザーもいるようだが、筆者がdynabook WXを使っていた限りでは、圧迫感よりも高解像度がもたらす快適な操作感が、より印象的だったことを述べておきたい。
dynabook WXは1モデルのみが用意されている。搭載するCPUは動作周波数2.70GHzのCeleronモデルのみ。モバイル用ではなく、デスクトップ用のCeleronを搭載しているので、ノートPCとしては、消費電力に不安を感じるかもしれないが、この製品は重さ4.3kgのいわゆるデスクノート。家や会社に据え置きで使用することがほとんどなので、それほど問題にしなくともいいだろう。バッテリー駆動時間もJEITA測定法で1.5時間とやはり短い。
メモリ容量は標準で256Mバイト。ただし、初期状態では64Mバイトをビデオメモリとして共用するため、メインメモリの実質的な容量は192Mバイトとなる。2基あるメモリスロットのうち1基が空いているので、Windows XPと導入したPCとしては、512Mバイトまで増設しておくとをお勧めしておきたい。ちなみにメモリは最大2Gバイトまで搭載可能だ。
チップセットはATI RADEON 9000 IGPを搭載。インテル製チップセットなど、これまでのノートPC用統合型チップセットに内蔵されるビデオ機能と比べて高性能。ビデオメモリは最大128Mバイトまで割り当てられるので、ビデオ機能を重視するユーザーはメモリを多く搭載して、ビデオメモリを128Mバイトまで割り当てると快適に使うことができる。
メモリメディアのインタフェースも豊富に用意されているが、特筆すべきはxDピクチャーカードにも対応して、一つのスロットで5種類のメディアの読み書きが可能になったブリッジメディアスロットだ。ノートPCのメディアスロットでxDピクチャーカードに対応した製品はまだ少ない。今後、ますます利用可能な端末が増えるであろうxDピクチャーカードに一早く対応しているのは、対応するデジカメなどを所有するユーザーにとって大きなメリットとなるだろう。
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