自分の子供は片っ端から写真で残したくなるのが親バカというもので、子供がいる人はたいていデジカメを持ってるし、そういう用途なら、フィルム代やプリント代がかかってしょうがなかった銀塩フィルム時代に比べ、何100枚撮っても大丈夫なデジカメはまことに救世主だったのだ。
しかも撮ったものを自由にプリントしたりメールしたりWebサイトに載せたりして楽しめるので、子供写真をきっかけにパソコンをよく使うようになったという人も多いはず(少なくとも、筆者の妹夫婦はそうみたい)。
そこで子供の……特に乳幼児の撮り方である。
最初に注意すべきはストロボ。
室内で撮るとなると、ついついストロボを焚いてしまいがちだ。
でも、赤ちゃんに向けてストロボを焚くと、瞳孔が開いている状態で強い光が当たるので目によくないと言われている。実際、取扱説明書や注意書きに「乳幼児に向けてストロボを焚いて撮影するときは、1メートル以上離れてください」としてある製品もけっこうある。
一概にストロボはダメということはないが、むやみに焚かない方がいいだろう。まあ大人でも何枚もストロボで撮影されたら、まぶしいしあまりいい気はしないものであるから、ストロボを使うときは顔のアップなどは避け、ちょっと離れて、正面ではなく斜めから当てるなんて工夫を考えたい。
もしデジタル一眼レフを使っているなら、発光の向きを変えられる(バウンス撮影)外付けストロボがお勧め。天井などに光をあててその反射を使うというわざで、直接光じゃないし光が柔らかくなるのでよいのだ。
今回はコンパクトデジカメを使い、できるだけストロボを焚かないで撮ってみた。
ストロボを焚かないで室内で撮影……となると厄介なのがシャッタースピードである。
そこで大事なのはカメラの持ち方だ。
最近、デジカメを両手の人差し指と親指で上下で挟んで持つように構え、腕を伸ばしてカメラを身体から離して撮る人が非常に増えているが、持ち方としては非常によくない。カメラが安定しないし、ズームもしづらいし、カメラを持つ4本の指の1本がシャッターを押すのにも使われるのでブレやすいのだ。
基本は右手でしっかりカメラを握ること。中指&薬指と親指全体で前後からカメラを挟む感じでもち、人差し指はシャッター専用にするほうがブレにくい。
屋外の明るいところで軽いカメラなら片手で撮っても大丈夫なくらいで、そうじゃないときは左手を持ちやすいように添えてやる。
そして肘を身体につけて少し低い位置で持つと完璧である。
だがしかし、子供はとにかくよく動く。じっとしててくれない。しっかり持って手ぶれを防いだとしてもなかなか止まってくれないのだ。
昼間ならできるだけ窓際の明るい場所で撮ろう。外光が入っていた方が光がきれいに柔らかく当たるし、明るいのでシャッタースピードも上げられる。
あとはタイミング。
同じようなシチュエーションでシャッタースピードはどちらも1/20秒と遅いのだが、片方はほぼ止まっててオモチャだけが動いているけど、もう片方は逆に赤ちゃんが動いてしまってオモチャが止まってる。どっちが失敗かはいわずもがな。うまく動きが止まるタイミングで撮るのだ。
大事なのはシャッターを半押しにしてピントを合わせておき、ここぞというタイミングでシャッターを切ることと、たくさん撮ること。たくさん撮ればうまく撮れる確率も高まるというわけだ。失敗したと思ったらあとで消しとけばいいのである。
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