このインタフェース周りの構成はバイオWと似ているが、後部本体と液晶パネルが一体化していたバイオWと異なりtype Mは液晶部がノートPCのように独立している。このため角度変化(−3〜25度)が柔軟に行える。液晶パネルが独立しているのは、液晶パネルの後ろにスピーカーを配置しているためだろう。
PCそのもののスペックも、CPUがCelerin/2.60GHz、メモリ256Mバイトと、パフォーマンスよりはコストを配慮した構成になっている。ホワイトカラーの機能強化モデルはソニースタイルから登場、CPUがPentium 4/3.06GHzでメモリ512Mバイト、HDD容量200GバイトでTVチューナー付となっている。コスト重視のパーツ構成というのは、ややマイナス要因というイメージもあるが、逆に、これが静音性を高めるのに貢献している。
電源はtype Mのために新開発されたもので、ピーク時で80%以上と高い電源変換効率で無駄な熱を押さえており、空冷ファンの回転速度を抑えることができる。CPUクーラーも当然ファン回転を抑える設計で、SoundFLOWやDo VAIO使用時ならば最低レベルに近い回転数で使うことができるという。液晶一体型PCは操作者と本体が近くなるので、ファンノイズが気になるものだが、type Mで試用した限りではとくに気にならなかった。
あまりパワフルなマシンを必要としないユーザーの場合、省スペースPCよりも一体型やA4ノートPCを選ぶことが多いだろう。type Mは使用しないときの面積が横482ミリに奥行き205ミリと、並のA4ノートPCよりも設置面積を必要としない。
ノートPCの場合は電源アダプタがさらに必要となるが、type Mは当然ながら電源内蔵で、そのへんもスッキリしている。キャリングハンドルこそついていないが、左右のスピーカーの下に手を入れれば、ちょっと動かすことぐらいの可搬性は考慮されている。
今回評価した上位製品はTVキャプチャーボードのついたモデルだが、これをサポートするソフトがDO VAIOだ。残念ながら評価機では間に合わなかったが、9月25日から開始されたVer.1.2へのオンラインアップデートによってテレビ王国でのキーワード自動録画機能「おまかせ・まる録」が使えるようになった。スゴ録やPSXと同じ機能がPCでも使えるのはありがたい。
上位機種となるM50B/Sの実売価格はおおむね18万円前後。同等のHDDを搭載する同社のRDR-HX8は10万前後であるので、PC機能や液晶ディスプレイがあわせて8万円と考えると、type Mのコストパフォーマンスの高さが分かるだろう。
さらに、type Mユーザーが来年1月末までにカスタマー登録を行うと、最大1万円相当の商品がプレゼントされるキャンペーンも行われている。ソニー系電子マネー「Edy」カードとそのカードリーダーが送られてきて、これを使うことによってオンラインミュージックを最大50曲、または最大20曲+DVD1枚分のキャッシュバックが得られるというものだ。
音楽を楽しむPCにダウンロードミュージック購入権をつけるのは分かりやすく、また日本でのダウンロードミュージック市場がまだ十分発達していないことを考えるとプロモーションとしての効果もありそうだ。
type Mはスペックやパフォーマンスと言った機能面でなく、PCを難しく考えずにとも手軽に使えるのが最大の特徴だ。購入したら電源コードとマウスを差し込むだけで使える一体型ゆえの簡単さが初心者ユーザーに好感を持たれるだろう。
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