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2004/10/12 08:53 更新

わかりたい人のための動画エンコード講座
今年中にハリウッド映画がDivXで登場!? DivXNetworks社長が語る

日本でのDivX人気の高まりとともに、最新バージョンである5.2のリリースからWebサイトも日本語対応、DivX認定製品も日本からいくつか登場してきた。DivXNetworks社長のシャヒー・ガーナム氏に話を聞いた。

 日本でのDivX人気の高まりとともに、最新バージョンのリリースからWebサイトも日本語対応、DivX認定製品も日本からいくつか登場してきた。DivXの現在のバージョンは5.2。圧縮機能も強化され、すでに日本語版も用意されている。DivXという技術ばかりが有名になり、リリースしている会社については、あまり知られていないということで、DivXNetworks社長のシャヒー・ガーナム氏に話を聞いた。

DivXNetworksのDivXは昔のDivXと全く関係ない!

―― DivXNetworksが存在する前のDivXという技術と現在のDivXとの関係について、説明していただけますか? 以前のDivXがハッキングによるものであるため、未だにネガティブなイメージを持つ人が多いのです……。

ガーナム氏 DivXNetworksが存在する前の「オリジナルの」DivXというのはいくつかの既存の技術を混ぜ合わせたもので、商用ではなく、個人的に使うために開発されたものでした。

 2000年にDivXNetworksが設立された時、私たちのチームはその技術とは何の関係もない、新しいコーデックをゼロから開発しました。会社の設立以来、そのDivXコーデックは何度かのバージョンアップを経て、現在5.2というバージョンに到達しました。DivXNetworksからリリースされたコーデックはすべて(初期のオープンソースバージョンのOpenDivXを除いて)、私たちのエンジニアのチームによって開発された独自のコーデックです。そしてこれらは、パフォーマンスや画質の面で、我々の製品ではない「オリジナルの」DivXより優れています。

―― 7月に来日した時、「グローバルなコミュニティを作ることが成功につながる」ということをおっしゃっていました。そのコミュニティをどのように作って広げていくつもりですか?

ガーナム氏 私は、「私たちが」コミュニティを作ったと言いたかったわけではありません。DivXを受け入れ、技術を中心にして自分達のコミュニティを作った、世界中の人達によってグローバルなコミュニティが形成されたのです。その中で大きな役割を果たしたのが、インターネットの持つ国を越えた影響力です。また、私たちが常に自分達の技術を扱いやすいものにするよう努力し、世界中のユーザーの意見を聞いて、そのフィードバックを製品に組み込んできたという事実も大きいでしょう。私達のWebのトラフィックの半数以上は米国以外からのものです。また、私たちのパートナーのDivX関連製品の販売は、ヨーロッパやアジアのインターナショナルマーケットで非常に強いのです。

「DivXはMPEG-4以上」

―― DivX VOD(DivX Ecosystem)について教えていただけますか?

ガーナム氏 VODシステムについてはこちらにも情報がありますので、参考にしてください。

 このシステムによって、私たちはバックエンドの技術のソリューションをライセンスしていることになります。これには、エンコード、DRM、配布の技術といったものが含まれています。パートナーのコンテンツプロバイダにとって必要となるものは、ビデオコンテンツ、フロントエンドのWebサイト、そしてマーケティング活動だけです。

 現在、私たちのコンテンツプロバイダのオンライン上のコンテンツは1万7000タイトルを超えています。すべてのタイトルがDivXのDRM技術によってセキュアなものとなっています。私たちはこれらのタイトルを、業界標準のAESエンクリプション、さらにKey Rotation、Download Monitor、Superdistribution機能など、たくさんのDRMのテクニックを使ってDivXNetworks本社でエンコードしています。

―― 7月の来日時にはMPEG-4という言葉を使っていませんでしたね。かつてはWebサイトでもMPEG-4という言葉を強調していたように思います。何か理由があるのですか?

ガーナム氏 DivXビデオはMPEG-4ビデオの技術と互換性があります。しかしDivXでは、ユーザーがより高いレベルの圧縮とビジュアル品質ができるよう、たくさんの独自のエンコード技術が使われています。ですから、DivXと通常のMPEG-4ビデオを深く結びつけて考えるのは正しくありません。DivXはMPEG-4ビデオ以上のものなのです。

 MPEG-4はパラメータを設定できる「標準」でしかありませんから、MPEG-4には良い実装も悪い実装もあります。DivXは市場ではベストなMPEG-4互換のビデオコーデックです。が、単なるMPEG-4コーデック以上のものなのです。

―― DivXのファイルフォーマットはAVIです。どうして他のフォーマットではなくAVIを選択したのですか?

ガーナム氏 私たちは、AVIファイルフォーマットが私たちのユーザーにとってベストな再生環境であると信じています。また、既存の多くのアプリケーションがソフトウェアでもハードウェアでもAVIベースのDivXファイルをサポートしています。このあたりの決断については、「ユーザーにとってベストで、かつ最も相互利用しやすいものを提供する」ということをベースに考えています。

―― DivXはファイルでは扱われていますが、ビデオ会議やストリーミングなど、リアルタイム系のコミュニケーションでは使われていないように思われます。

ガーナム氏 DivXはリアルタイムコミュニケーションやストリーミングでも利用することができます。実はDivXをビデオ会議アプリケーションに実装したライセンスパートナーも多数存在するのです。私たちは、自分達の製品ではプログレッシブ・ダウンロードに焦点を定めています。最高の画質レベルを提供できるからです。しかし、DivXがストリーミング製品で使えないという理由は何もありません。

今年中にハリウッドのDivXコンテンツが登場?

―― 日本の携帯電話では主に3GPPの規格が採用されています。DivXは3GPPのビデオコーデック(MPEG-4)に近いものだと思いますが、3GPファイルのサポートは考えていますか?

ガーナム氏 携帯電話の市場を見ながら、あるDivX技術のソリューションを開発しています。現状では将来に向けての取り組みですから、お話できるような特定の技術や製品の詳細はありません。

―― DivXが特に力を入れようとしている分野はありますか?

ガーナム氏 答えは「イエス」です(笑)。

 私たちは常に技術的な面でコーデック技術を良くすることに力を入れており、今後も引き続き注力していきます。我々の次のバージョンには、より完成され、DVDライクな体験を可能にする様々な拡張が含まれています。

 さらに言えば、DivX Ecosystemを広めることは、私たちのビジネスを推進していくための重要な焦点となります。このことは、可能な限り多くのDivX認定家電製品を後押しし、ソフトウェアのパートナーが可能な限り多くのビデオ作成・編集ソフト製品にDivXを統合するのに協力し、お客様が入手できるDivXコンテンツの数を増やすということを意味しています。

 最後のコンテンツについては今年の後半、そして来年からいよいよ重要になってきます。私たちは、お客様が主流の人気コンテンツをDivXでセキュアに使えるようにするため、一生懸命取り組んでいます。今年の終わりまでに、いくつかのハリウッド・コンテンツのプロバイダーとのイニシアチブを発表するつもりです。

―― DivX認定デバイスが少ないように思われるのですが……

ガーナム氏 最初の大きなOEM先が、2004年の終わりに認定デバイスをリリースする予定です。

―― DivXの収入のシェアをラフに教えていただけますか?

ガーナム氏 財政情報については公表しないというのが会社のポリシーなのです。ただ、家電の分野が急速に伸びていることを申し上げておきましょう。


 ということで、単なるコーデックをリリースするというだけでなく、DivX Ecosystemを活用したビジネス展開というのが、会社にとっては重要なことになってきているようだ。また、ガーナム氏も認識しているように、「インターネットによるコミュニティ形成」が、ここまでDivXを盛り上げた大きな原因の一つであるというのは間違いないだろう。何といっても、多くの人はDivXのことは知っていても、その主体がDivXNetworksという会社であることを知らないのだから……。

 さて、会社のことばかり質問してしまったが、最新のDivX 5.2というバージョンはどのようなものなのだろうか? DivX Video EncoderPackをリリースしているホロンのJag山本氏に聞いてみた。

Jag山本 最新バージョンのDivXの画質やスピードに関しては、様々なメディアですでに絶賛されていますが、大きな目玉は、ユーザーインタフェース(UI)ですね。UIといっても、見た目という意味ではなく、CODECに対するインタフェースのことを指しています。

 普通であれば、フロントエンドに任せてしまうような設定がコーデックのユーザーインタフェースについています。前々からあったそうでしたが、特に今回のバージョンは思い切ったなぁ(笑)。これだけフロントエンドが整っていれば、かなり多くのソフトで、もっとカンタンに、キレイにエンコードできるようになるはずです。

 コーデックというのは、その技術以上に、その技術の理論値を100%引き出すための設定が難しいんですよね。そこをカンタンにしていくという発想が面白いと思います。

 ただし、このUIはVFW(Video For Windows)のAPIを使うときのもので、DirectShow(Microsoft DirectShow アプリケーション プログラミング インタフェース:Windowsプラットフォーム向けのメディア ストリーミング アーキテクチャ)向けではありません。製品としても DirectShowを使ったものが少ないのが残念です。「Dr.DivX」、「DivX Video EncoderPack」、「DaViDeo3、DaViDeo 4 Pro」ぐらいではないですか?

 とは行っても、他のDirectshow向けCODECでDivXより優秀なものがあるかといえば「NO」ですから、DivXはやっぱりスゴイと思います。もちろん、UIだけでなく、機能も改善されているので、弊社のDaViDeo 4 Proなどで試していただければと思います。

[姉歯康,ITmedia]

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