3R SYSTEM「POSEIDON WCL-02 120Cu」は、今夏に登場した水冷キット「POSEIDON」シリーズの最上位モデルで、前回試した「POSEIDON WCL-03 90Cu」の9センチファンより大型となる12センチファン搭載の大型ラジエーターと、12ボルト駆動の独立ポンプを備えるキットだ。
WCL-03 90Cuとは違い、各パーツをユーザーが組み立てるタイプとなっており、オプションのグラフィックスチップやチップセット用冷却ブロックなどを増設できるすることもできるようになっている。
なおアキバ各ショップでは、12センチの大型ファンとラジエータ、1分間に冷却水を1200cc循環できるという強力なポンプが好評のようで、秋になってもシリーズ中トップの人気になっているという。
標準で、mPGA478タイプのPentium 4、Socket A対応Athlon XP用として使えるアタッチメントが付属し、オプションでLGA775 Pentium 4用やSocket 754用のアタッチメントが用意される。
では、早速PCに組み込んでみよう。
組み立てタイプといっても、各パーツをチューブで結び、電源類を接続、するだけ。注意すべきところは、CPUブロック取り付け時と水漏れがないようチューブを取り付けていく部分のみだろう。
チューブの接続部は、各パーツの取り付け部分に付属のジョイントをはめてチューブを固定する方法となっている。このジョイントはプラスチップ製で、素手ではめ込んでも痛くなく、簡単に取り付けられはするが、締め付けすぎると割れたり、いつの間にか緩まってしまう可能性もありえそうなので、設置後も注意しておきたい。
接続が完了したら、冷却液を循環させていく。WCL-03 90Cuと比べ、より強力なポンプを採用したため、初期循環時にチューブを流れていく冷却水の勢いも速かった。なおポンプ用電源スイッチがないため、ちょっとずつ慎重に、エア抜きしながら冷却水を入れようとした慎重派の筆者にとっては若干面倒であった。電源コネクタを抜き差ししながら行う必要があったからだ。
冷却液が行き渡ったら各パーツをPCに設置していこう。CPUブロックの取り付けカバーは、mPGA478/Socket A用ともに、上部のねじで締め上げていくタイプで、無理な力を入れずに固定できる。マザーボード標準のリテンション金具を利用して装着するため、CPUソケット周りで大がかりな作業がないのも面倒がなくていい。
POSEIDONシリーズは、ポンプ/タンクがコンパクトであるのも特徴となっている。WCL-02 120Cuの場合は、ミドルタワーケースを使用しているのであれば、十分に内蔵させることができる。
ポンプのサイズは90(幅)×78(奥行き)×65(高さ)ミリで、チューブや電源コネクタ分のスペースを考慮しても、3.5インチベイ3段分ほど、またはPCIスロット3つ分ほどのスペースがあればそこに置いておける。なおポンプの底部にはねじ穴が開いたプレートが付けられるので、適当なブラケットやケース内のねじ穴などを利用して固定させることもできそうだ。
12センチファン搭載のラジエータは、幅が142ミリほどあるのにはちょっと注意しておきたい。ケース背面のケースファン取り付けスペースなどに設置するのがスタンダードなスタイルだが8センチファンまでしか取り付けできないタイプのケースも多いからだ。とはいえ、そのあたりは自作ユーザーであればなんとかするであろう。
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