700mは白とシルバーを基調とした直線的なデザインで、けれん味もなく個人的には好感が持てる外観。キーボードやタッチパッドもすごく高級感を感じるわけではないものの、ごく普通に操作できた。ノートPCとしてはキータッチも上々といえよう。
12.1インチのWXGA(最大解像度1280×800ドット)液晶は、たしかにDVDの視聴などにはワイドで便利。Windowsの操作でも、ちょっとした操作を広くなったエリアで行えるので使いやすさを増してくれる。ただ、欲を言えば、DVDの視聴などには視野角がもう少し広いほうが適していると思う。輝度やコントラストについてはあまり問題を感じなかった。
ソフトウェアに関しては、とくに述べるような特色もないが、DVD再生やライティング(記録型DVDドライブやCD-R/RWを選択した場合)関連のソフトウェアなどは当然付いてくる。
マルチメディアの視聴に関しては、「Dell Media Experience」というDVD再生、ビデオデータ再生、音楽再生、画像表示などができる統合プログラムが付いてくる。ちょっと見た感じはメディアセンターや最近のマルチメディアプレーヤー専用機などのようなノリであるが、ライセンスを見る限り、どうやらサイバーリンクの製品のようだ。
試用機にはDVD+RWドライブが搭載されていたので、ライティングソフトにSonicの「Record Now!」が用意されていた。このほか、画像編集用に「ピクチャースタジオ」というソフトウェアが付属し、「Paint Shop Photo Album 4 スターターエディション」と「PaintShopPro 8 トライアルエディション」が機能に制限があるものの使えるようになっている。
最近では、それほど必須とも言えなくなってきたワープロおよび表計算ソフトだが、オプションで「Mcrosoft Office Personal Edition 2003」が2万円で追加できる。さらに「Microsoft(R) Office Personal Edition 2003 +Adobe Acrobat 6.0 Standard」を選べば2万3000円と3000円のアップでAcrobat 6.0 Standardが手にはいる。
ベンチマークはPC Mark04で計測した。CPUやメモリについてはそれなりの値だが、HDDの数値がかなりいい。これは試用機が80Gバイトの日立製「HTS548080-M9AT00」を採用しているため、8Mバイトのバッファと5400rpmというのが好影響を与えているのだろう。80GB以外の機種ではここまでの値は出ないかもしれない。
グラフィックス性能に関しては、予想通り突出したものではない。3DMark2001での値も計測したが、こちらも同じように目立った値は出ていない。もっとも、チップセットに内蔵グラフィックスを使っている以上、これはいたしかたないところではある。
さらに、バッテリーの連続動作時間を調べるため、DVD Videoを再生してみた。再生ソフトにはプリインストールされていた「Dell Media Experience」を使用し、市販のDVD Videoをフルスクリーンで視聴という手順である。
結果は1時間24分。意外と短い。もっともこれは標準の「4セルSmartリチウムイオンバッテリ」での測定結果であり、「8セル Smartリチウムイオンバッテリ」を選べばカタログ上は約2倍(約2.75時間→約5時間)の持続時間となるはずなので、より長時間の動作も可能だろう。
DELL製品の魅力は「コストパフォーマンスがよいこと」であるが、その例に漏れず700mも思わず買いたくなるような価格設定がなされている。
レビューの中で触れたPentium M 725でHDD容量80Gバイト、メモリ容量512Mバイト、DVD+RWドライブ、802.11a/b/gという構成でも19万円で収まる。DVD+RWをコンボドライブに換えたり、CPUやHDDのランクを落とせば、実用的なスペックであっても15万円以下に抑えることが可能である。
さらに、デルではネットで購入すると割引が行われるなど、期間限定でさまざまなキャンペーンが頻繁に行われている。こういう得点を利用すればさらにお得な買い方ができる。
バッテリー性能だけはPentium Mのわりにはふるわない結果だったが、それ以外の点ではとくに欠点もなく、初めてノートPCを買うような人でも安心して選べる「そつのない」マシンと言えるだろう。
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