さすがに、ラインアップ的な競合製品であるRADEON X300に対しては、すべてのテストにおいて優れたパフォーマンスを発揮している。GPUの世代が異なるので、当然といえば当然。あまり自慢できることではない。
とはいえ、GeForce 6800ファミリーやGeForce 6600ファミリーのように、従来のGPUに対してすべてのテストで「一線を画する」ほどの、突き放したようなアドバンテージが示せていないことに注意したい。この傾向が顕著なのは3DMark03のGT4やAquaMark3だ。
一方、市販ゲームのTOMBRAIDERでは、軽負荷テストでも重負荷テストでもGeForce 6200が圧倒的なパフォーマンスを見せている。同じ市販ゲームのDOOM 3のベンチマークでは、最も軽負荷の1024×768ドット、各種フィルタ無効の状態で、さすがGeForce 6200は飛びぬけたパフォーマンスを示している。
解像度を1600×1200ドットにした重負荷テストにしても、(最軽負荷テストほどではないにしろ)ほかのGPUとは次元の異なるレベルのパフォーマンスを発揮しているのに注目したいところだ。
この傾向は、最新のベンチマークテストである3DMark05でも同様である。このように、3Dmark03からAquaMark3、TOMBRAIDER、DOOM3、3DMark05と並べてみてみると、シェーダを多用すればするほど、GeForce 6200のアドバンテージが際立ってくるような感じがする。
現役バリュークラスGPUは当然として、旧式ミドルレンジGPUに対しても、ゲームユーザーが注目する市販ゲームベースのベンチマークで圧倒的な優位性を示したGeForce 6200。これまで、3Dパフォーマンスは最初から期待しないユーザーが購入するケースが多かったバリュークラスのGPUでも、最新の3Dゲームが実用的な速度で動作するようになったのは画期的なことだ。
概してバリュークラスのGPUを購入するユーザーは、とくにはっきりとした目的を定めていないため、あとから「リネージュをやってみようと思ったけれど、ぜんぜん動かないじゃないか」と愕然とすることも多い。
しかし、GeForce 6200ならば、コストを気にすることなく購入できて、かつ、オールラウンドに対応できるパフォーマンスの懐深さを発揮できる。「買ったときは意識していなかったけど、後から思いついてやってみたい」というユーザーには、のちのち感謝されるGPUとなるだろう。
ただし、NVIDIAのGPUラインアップが最近になって多種多様化し、上位モデルとの実売価格差が狭まっているのは少々気になるところだ。とくに、ノーマルGeForce 6600は、動作クロックはほぼ同じもののパイプラインは2倍、それでいて実売価格が1万5000円から2万円あたりをつけている。
ちょっとコストアップすれば、それほど懐を痛めることなく、絶対的パフォーマンスが優れている上位GPUを入手することもできなくない。さらに、その上位GPU搭載グラフィックカードがSLIなどをサポートしていれば、(いつから使えるかを別にしても)なおさら魅力的に見えるはずだ。
コストパフォーマンスは確かに優れているけれど、すぐ上により早いGPUが見えている。この誘惑をはねのけるだけの価格差がはっきりとユーザーに示されたときに、今のところ、ライバルATIに競合するGPUが存在しないGeForce 6200は、バリュークラスで唯一の選択肢となりえるだろう。
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