ギガビットEthernetに対応したパーソナルNASの新モデル――ロジテック LHD-NAS250V(1/2 ページ)

» 2004年10月27日 18時06分 公開
[平澤寿康,ITmedia]

ネットワーク・ハードウェア・NASと全面的に強化

「LHD-NAS250V」

 今回追加されたNetPocketシリーズの新モデルは、「LHD-NAS120V」、「LHD-NAS160V」、「LHD-NAS250V」の3モデル。それぞれの違いは、内蔵されるHDD容量のみで、それ以外の仕様は全て同じとなっている。ちなみに今回試用したLHD-NAS250Vには250GバイトのHDDが内蔵されている。

 ネットワーク機能だけでなく、NASのシステム自体も大幅に機能強化されている。従来モデルでは、登録可能ユーザー数が256ユーザー、グループ数が64、最大共有フォルダ数が32となっていたが、新モデルでは登録可能ユーザー数が1024ユーザー、グループ数が1024、最大共有フォルダ数が64と、それぞれ強化された。

 これだけのユーザーやグループを管理できるなら、個人やSOHOユースはもちろんのこと、企業ユースにも十分対応可能と言っていい。もちろん、ユーザーやグループごとにアクセス制限をかけたり、利用できる容量の上限などを設定できるため、セキュリティ面も申し分ない。

 また、本体前面に登録サーバー名や割り当てられているIPアドレスなどの情報を表示する液晶ディスプレイが新たに用意されている。これにより、複数のNetPocketを設置した場合でも、個別の管理がやりやすくなっている。

上から順に起動時の液晶表示

 さらに、本体背面にはシリアルポートが用意され、UPSを接続して利用可能となった。何らかのトラブルで電源供給が遮断された場合でも、UPSを接続しておけば安全にシャットダウンが行えるため、保存データの安全性も向上する。

背面

強化されたEdenシステム採用で高パフォーマンスを確保

 管理するユーザーやグループなどが増えたことにより、NASでの処理量も増えることになった。しかし、新モデルのNetPocketでは、搭載するCPUやメモリ量を強化することによって、処理量の増大に対処している。

 従来モデルでは、ボックス内に、CPUとしてVIA-C3 533MHzが搭載されたEdenシステムが採用されていたが、新モデルでは、CPUがVIA-C3 800MHzに強化されたEdenシステムが採用されている。ケース内には、Mini-ITX仕様のEdenシステムがそのまま搭載されており、仕様的には小型PCといった雰囲気となっている。

マザーボード

 Edenシステムボード上には、CPUやチップセットに加え、メモリスロット、2ポートのIDEポート、PCIスロットなどが用意されている。また、オンボード機能として、グラフィック機能、100BASE-TX対応のLAN機能、サウンド機能なども搭載されている。メモリは、256MバイトのPC2100 DDR SDRAMが搭載されていた。

 ちなみに、1000BASE-T対応のネットワーク機能はオンボードでは搭載されておらず、PCIスロットに拡張カードを取り付けた形で実現されていた。利用されているチップはRealtekのRTL8169Sであった。

PCIスロット

 そして、このEdenシステムには、一般的なPCのマザーボード同様、シリアルポートやパラレルポート、LAN、VGA、USB、PS/2、サウンド関連などの各種コネクタが用意されているが、従来モデルではこのうちのほとんどのコネクタがアクセスできないように隠されていたものの、新モデルでは、内蔵LANおよびPS/2ポート以外は隠されておらずアクセス可能となっている。そして実際に、背面のVGAポートにディスプレイを、USBポートにキーボードを接続して起動してみたところ、一般的なPC同様にBIOS画面が表示され、操作も可能だった。NASとはいえ、その中身は純然たるPCと言うわけだ。

 CPUの強化とメモリ搭載量の増量によって、機能が向上したにもかかわらず、前モデル同様の高いパフォーマンスを確保している。ただ、CPUの動作クロックが向上したため、CPUに空冷ファンが取り付けられ、電源の空冷ファンと加え、やや騒音が大きくなっている点だけが少々残念なところだ。

ギガビットEthernet対応でファイル転送速度が向上

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月29日 更新
  1. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  2. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  7. 日本HP、個人/法人向けノート「Envy」「HP EliteBook」「HP ZBook」にCore Ultra搭載の新モデルを一挙投入 (2024年03月28日)
  8. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
  9. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  10. レノボ、Ryzen Threadripper PRO 7000 WXシリーズを搭載したタワー型ワークステーション (2024年03月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー