マザーボード設置が完了したら、CPUを搭載する。
LGA775対応CPUは端子部分がデリケートなため、裏側を触らないようにする。何かCPU設置専用治具などがあるのかと期待したが、作業としては普通だった。
裏面の端子部分だけ気を付ければ、LGA775 CPUの取り付けは至って簡単だ。ソケットのレバーを上げて保護カバーを外し、CPUを乗せてレバーを戻すだけ。ただし達人の作業には迷いがなく、グリス塗りも薄く均一にびしっと決めた。
リテールのCPUクーラーは、ソケット周りの穴に支柱をはめて柱天面を矢印の方向にひねれば固定できる。マイナスドライバーなどでしっかり回せる構造で、余計な力が入ることも少ない。ただし「リテールクーラー、マザーボードともに個体差が若干あります。そのまま単純に組み込むのではなく、柱の位置を微調整しながら行います」と、達人の多種メーカー、多様なパーツを扱ってきたことによる経験と慎重さが、かいま見られた。
次にメモリをスロットに装着する。スロットはデュアルチャネル用に、3本ごとに2手に分かれる。1組目はそれぞれの赤いスロットにメモリを装着し、以降はそれぞれCPU側から埋めていく。
今回購入したGIGABYTE「GA-8ANXP-D Rev2.0」には、無線LAN PCIカードやチップセットクーラーなどオプションパーツがいくつか付属されるが、この段階では装着しない。「動かなかった場合に原因究明が面倒になる」のが理由の一つだ。また、ケーブル配線を円滑に行うための配慮もあるという。この時点ではグラフィックスカードも差しておらず、マザーボードを設置した部屋に手を入れて作業しても差し仕えないスペースが確保されている。
「とにかく邪魔や障壁を極力なくすことがキモなのです」。この辺りは、最初に行っていたシミュレーション通りといったところのようだ。
マザーボードを装着した反対側の部屋に、電源ユニットを設置していく。スペースが広いこともあり、取り付けに手間取ることはない。
ただし注意したいのは電源ケーブルの配線だ。ケースが巨大な分、マザーボードやドライブ類との距離が遠くなってしまうことも想定されるため、配線を適当に行うと、変な位置にケーブルを這わせたりすることになり美しくない。そして後々の増設時にじゃまになることもある。はたまたそもそも長さが足りないといった事態も考えられる。
これまでスピーディに組み立てていた達人、ここで2度目の熟考に入った。
曰く、マザーボードとの距離と電源ケーブルの配線によって内部のパーツ配置が9割方決まるのだという。いかにシンプルに美しく、後の作業も行いやすくする設置/配線方法を考えているようだ。
今回使用する電源、SuperFlower「SF-530T14」は24ピンメインコネクタのケーブル長が約50センチあり、余裕をもって接続できた。一台めの電源はこれで完了。ただし2台めのドライブ系に使用するための最長60センチある4ピン5ボルト電源ケーブルは左側最上段には届かなかった。
しかし今回はSF-530T14を2台搭載する、デュアル仕様としたので、2台めSF-530T14から伸びるケーブルをドライブ系に割り当てることで長さや配置に気を遣うことなく接続できた。
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