編集機能強化とDVDからの直接変換――「DaViDeo HyperVideo Converter 2」レビュー(1/2 ページ)

» 2004年12月08日 09時43分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

あの「HyperVideo」がもっと便利に

 ホロンから登場している「DaViDeo HyperVideo Converter 2」は、PCに保存された様々な形式の動画ファイルやDVDビデオディスク形式で保存された動画を、高圧縮な動画フォーマット「HyperVideo」に変換可能にするソフト。2004年2月に登場した「DaViDeo HyperVideo」を大幅にバージョンアップした製品だ。

 高圧縮な動画フォーマットというとWindows Media VideoやDivXを思い出す人も多いだろうが、「HyperVideo」が特徴的なのはMPEG準拠なビデオCDとの互換性が確保されている点だ。CD-Rに最大4時間もの動画の保存を可能にしながら、ビデオCD対応のDVDプレイヤーやDVDレコーダーで再生可能だ。もちろんPCならばソフトウェアDVDプレイヤーで再生が可能であり、再生環境をほとんど選ばないのが大きな特徴だ。

 旧バージョンとなる「DaViDeo HyperVideo」はGUIを持ったエンコーダーという位置付けであったが、「DaViDeo HyperVideo Converter 2」はビデオ編集機能が追加され、DVDビデオディスクからダイレクトに「HyperVideo」への変換も可能になった。またデジカメなどで撮影した静止画を「HyperVideo」を利用してスライドショー形式の動画に変換する「Hyper Picture」と呼ぶ機能も追加されている。

トリミング、マルチトリム、画像補正も可能になったコンバーター

 「DaViDeo HyperVideo Converter 2」は多機能化に伴いモジュールが3つに分割された。旧バージョンの機能をほぼそのまま継承しているのが「HyperVideo2」だ。

 「HyperVideo2」はHDDやリムーバブルディスクなどに保存された動画ファイルを「HyperVideo」フォーマットに変換し、レコーダブルCD/DVDメディアへ書込みを行える。CDメディアに対しては「HyperVideo」フォーマットを使用した「HyperVideo CD」に加えて、「Video CD」完全準拠でも書き込める。DVDメディアに対しては「DVD Video」での書込みが可能だ。この点は旧バージョンと共通機能になる。

最小ならこの3ステップの画面操作で全ての作業が完了する。プロジェクト名を設定し、コンバートする動画ファイルを設定する。複数の動画ファイルをまとめてコンバートすることも可能だ。最後に出力フォーマットを設定すると、CD/DVDメディアへの書込みまで行ってくれる

 大きく機能強化されたのは編集、画像補正機能だ。上下左右をの不要部分を映像を確認しながらのトリミング、複数の不要部分をカットするマルチトリム、コントラスト調整やノイズ除去、モノクロ/セピアカラー化などの画像機能を備えた。これらの機能は編集後や補正後の映像を確認しながら行えるため、作業も容易だ。

トリミングは境界が白いラインで表示され実際の映像上で確認しながら行える。カット編集は複数を範囲指定可能で、複数の部分のCMカットなども一度の作業で完了することができる。スライドバー以外に分、秒、フレーム単位での移動も可能だ
補正、エフェクト機能は実際の効果を確認しながら設定作業が行える。補正機能は色調からガンマ補正もできるなどかなり本格的

 また編集、画像補正機能は補助機能として呼び出すよう形式になっており、単に動画ファイルを変換してCD/DVDメディアに書込みむ場合には余分な操作を行わずに済む配慮もされている。

 さて画質はどうだろう。「HyperVideo CD」の場合CDメディアに2時間分の動画を収めようとするとビットレートはVideoCDの半分程度になるが、画質はVideoCDとさほど変わらない。「HyperVideo」なら圧縮効率の良い可変ビットレートを採用しているからだ。CDメディアに最大の4時間となるとさすがにソフトフォーカスになるが、動画としての破綻は感じない。

CD1枚に2時間の動画が保存できるように「HyperVideo」でコンバートした場合のビットレート。グラフは縦軸が最大2Mbpsだ。平均ビットレートは0.5Mbps程度だが、動きの激しい部分など必要に応じて1Mbpsを超えるビットレートが割り当てられているのがわかる

 またコンバート元の動画ファイルフォーマットをほとんど選ばないのも特徴だ。基本的にはメディアプレイヤーで再生できる動画ファイルならほとんどコンバート元にすることができる。既にDivXで高圧縮してしまった、といった動画ファイルをリビングのDVDプレイヤーで手軽に楽しむためにも利用できる。こういった使い方では一般的なDVDオーサリングソフトよりもさらに手軽だと言えるだろう。

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