ATIのR4XX系列の最上位GPUとして先日発表されたのが「RADEON X850」ファミリーだ。「RADEON X850 XT Platinum Edition」(RADEON X850 XT PE)「RADEON X850 XT」「RADEON X850 Pro」の3モデルでラインアップが構成されており、RADEON X850 XT PEはRADEON X850 XTの高クロックバージョン。
RADEON X850 ProはRADEON X850 XTとコアクロック、メモリクロックは同じものの、ピクセルパイプラインが上位2モデル(加えてRADEON X800 XT/ XT PEも含めて)の16本から12本に減らされた「ちょい安」バージョンといった位置づけになる。
パイプラインの本数以外の、GPU構成や256ビット幅でGDD3に対応したメモリバス、3DcにSMARTSHADER/SMOOTHVISION、HYDRAVISIONのサポートなどの機能は従来モデルRADEON X800シリーズと同様だ。
RADEON X850ファミリーはすべてPCI Express X16対応となっている。NVIDIAのGeForce 6800 Ultraを搭載したPCI Express対応グラフィックスカードが、いまだに店頭に登場していないため、スペック的にもベンチマーク的にもRADEON X800 XT PEがPCI Express X16で使えるグラフィックスカードの最高峰、とされていたが、RADEON X850ファミリーの登場でNVIDIA製GPUにさらに水をあけることになる。
ただし、クロックアップの代償としてGPUやビデオメモリから発生する熱も多くなり、そのため、リファレンスグラフィックスカードには、2スロット分を消費する背の高いブロワファンを組み込んだチップクーラーが搭載されている。ファンの回転数は抑えられていて見かけほどにはクーラーから騒音は発生しない。
同時期にATIからはRADEON X800ファミリーのエントリーモデル「RADEON X800 XL」「RADEON X800」が発表されている。「RADEON X800 XL」は上位2モデルと同じ16本のパイプラインを持ち(RADEON X800はピクセルパイプラインが12本と減らされている)、コアクロックとメモリクロックが低く設定されている。またRADEON X800 XL、RADEON X800ともにRADEON X300で採用された0.11マイクロプロセスルールを採用した。
PCI Express対応グラフィックスカードとして最高峰のスペックを誇る「クロックアップバージョン」RADEON X850 XT PEのパフォーマンスと、エントリークラスとして登場した「クロックダウン」バージョンRADEON X800 XLのパフォーマンスを定番のベンチと定番のPentium 4 540基幹のミドルレンジシステムで見てみることにしよう。
比較するGPUはこれまでの最上位GPUであるRADEON X800XT PEと市販されているNVIDIAのPCI Express対応GPUの最上位モデルGeForce 6800 GT搭載カード。それぞれのグラフィックスカードの適用したドライバは、それぞれATIとNVIDIAのサイトから入手できる公式ドライバの最新のものだ。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Pentium 4/540(3.2GHz) |
マザーボード | Aopen i915Gm-I |
メモリ | PC3200/512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
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