LaVie TWで目を引くのはその外観。17インチワイド液晶はもちろん、パームレスト部には本皮の風合いとやわらかい感触を備えた加工が施され、渋めのシルバーやグレーといったボディカラーを組み合わせることで落ち着いた雰囲気を醸し出している。単に「筐体の一部に本皮風を取り入れた」という安直なデザインではない、全体の調和が重視されたデザインは秀逸だ。
細部の造作にも注目したい。キートップには使い込んでいくと発生しやすいテカリを抑えるコーティングを施し、Tシリーズでも採用されていたAV操作パネルは、一般的なスイッチから筐体と一体感のあるフラットパネルに変更することで、「いかにもAVノート!」というスイッチの存在感を抑えつつ、肝心のAV機器的な使い勝手は失っていない。
キーボードも(無理をすれば)テンキーを詰め込めそうだが、あえて「T」シリーズと共通のレイアウトとし、デスクトップPCと同じ19ミリピッチ(キーストロークも3ミリ)を確保している。ビジネス利用を意識したノートPCならば多少キーピッチを詰めてでもテンキーを追加するだろうが、あくまでプライベート利用のホビーユースノートPCとしてフルキーサイズを優先させたのだろう。
キーボード部を挟み込むようにヒンジ寄りに配置されたステレオスピーカーの音質も悪くない。このレイアウトのおかげで映像との一体感も良好。ゆとりのある筐体を生かしたバスレフ構造で低音を補強しつつ、小型のスピーカーユニットにありがちな高音がキンキンした耳障りな音質ではない。
何より人の声などの中域がすばらしい。もちろん音量を上げていくと低音の歪みが気になってくるが、常識的な音量であればDVDで映画を見る場合でも外付けのスピーカーは必要と思わないだろう。
LaVie TWは現役のノートPCでは最大級の17インチワイド液晶ディスプレイを搭載している。このディスプレイは「ただ大きい」というだけでなく、同社が「スーパーシャインビューEX液晶」と呼ぶ、いわゆる光沢タイプの「つるつる液晶」タイプだ。低反射処理も施され良好な発色と映り込みの少なさを両立し、輝度を上げても白飛びしないという、明るい室内でのTV視聴に適した面も兼ねそなえている。
もっとも「スーパーシャインビューEX液晶」はサイズこそ違えどTシリーズで既に採用されていたもの。LaVie TWを含む2005年春モデルで刷新されたのはTVチューナーユニットで、「MPEGエンコーダ」「ビデオデコーダ」「10ビットA/Dコンバータ」「三次元Y/C分離」などをワンチップに統合した自社製の統合型新チップが採用された(NECは新しいチップを採用した一連の高画質エンジンを"VISITAL"と命名している)。VISTALの詳細は公開されていないが、同社から既に2004年9月に発表済みのμPD61176を採用しているようだ。
VISITALや液晶パネルの採用によって、従来のLaVieやVALUESTARシリーズ、同社のキャプチャーユニットSmartVisionシリーズで共通に見られた「発色が控えめでおとなしい画質」から一転して、LaVie TWでは非常に色鮮やかな画質に変更されている。これは従来製品を使ったことのある人なら一目で気が付くほど大きな変化だ。
もちろん色鮮やかであれば良い、というものではないが、従来のTV機能をもったLaVieシリーズと比較すると、より液晶TVに近い画質になったことは否定できない。NECの製品の場合、ディスプレイの発色は鮮やかなのにチューナーユニットの発色がいまいちという感が強かったわけだが、それが大幅に改善されたと言っていいだろう。
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