京セラの放つ異色作、CONTAX i4R(2/3 ページ)

» 2005年01月17日 09時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

京セラらしい硬めの画像

 では実際に使ってみよう。

 レンズカバーを指でぐいっと引っ張ると、約1秒で起動。液晶モニタが点灯して実際に撮影が可能になるまでは2秒近くかかるが、ストレスがたまる時間じゃない。

 逆に電源オフ時は注意。電源オンのときと同様に、レンズカバーをもう一度ぐっと引いてやる必要があるのだ。それでスイッチが切れてレンズが引っ込むので、そのあとレンズカバーを戻すのである。知らないと無理矢理レンズカバーを戻そうとしがちではあるが、慣れればまったく問題ない仕組みだ。

 ただ電源オンもオフも片手ではできない。引っ張る作業が入るので両手が必要なのだ。そういう意味ではポケットから片手でさっと出して撮るというカメラではないのである。

 撮影間隔はとても短く実測で1.5秒程度だ。

 では肝心の画質だが、京セラ系のシャープネスとコントラストが高めの絵。特にコントラストが高めの構図だと暗部を黒く締めたりハイライト部を白く飛ばしたりしやすい。また、ノイズ対策のためか暗部で色が抜けるような感じを受ける。

日向で遊ぶ子供。コントラストを弱めにして撮ったが、それでもこれだけ強いメリハリのある絵になった

 彩度もデフォルトでは高くなく、シチュエーションによってはもっと色をのせて欲しいと思う。

昼間の室内で犬の横顔を撮影。彩度は高めに設定した

 全体としてリッチな色彩よりはディテールの解像感が高いメリハリがある絵を指向していると言っていいだろう。

白鳥のいる池にて。白鳥が白くトんでしまうのはいいとしても、背景の松などは冬にしてもやや寒々しい色になってしまった。暗部で急に色が抜けるという印象だ

 オートホワイトバランスはややクールな色を示しがちで、室内で人物を撮ったとき、やや青白くなることも。逆に色温度が低い室内ではかなり赤みが残る傾向がある。また、フラッシュの光量が強くないため、室内でのフラッシュ撮影ではどうしてもISO感度を上げて対応することとなり、フラッシュ利用時でも室内光を受けてしまう。

風船で遊ぶ子供。フラッシュを焚いたがISO200に増感され、室内照明の影響を強く受けた

 逆にメリハリのある絵が欲しいときは強い。

とある宗教の教会であるが、青空の青はメリハリがあって深く、建物はシャープでシャキっと撮れている。また光がしっかり当たっているときの発色は鮮やかだ。こういうカットには強い
元旦の神社にて。ややエッジが硬めではあるが、冬のシャキッとした空気感がいい感じに出ている
マクロ撮影時もシャープさが際だつ。やや堅い花びらになってしまったが、シャープな写りが欲しいマクロ時にはよい

 彩度やシャープネスはある程度コントロールできるので好みの絵にしたいときはそれを使おう。

 なお、光学ズームはないがデジタルズームはある。4倍のデジタルズームを使った作例を1つ。

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