新世代Centrinoでパフォーマンス一新──ソニー「VAIO type A VGN-A72B」(1/2 ページ)

» 2005年01月27日 16時55分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

PCI ExpressベースでMOBILITY RADEON X600搭載

 筆者が「今度のtype Aは“第二世代”だ」と主張する根拠は、チップセットのIntel 915PMとDothanコアPentium Mを組み合わせた新世代Centrino(開発コード名はSonoma)プラットフォームとなっており、システム周りが一新したところにある。

VAIO type Aの最上位モデル「VGN-A72B」

 Intel 915PMはデスクトップPCですでに使われているIntel 915PE系チップセットのノートPC版といえる、PCI Expressに対応したチップセット。メモリバスもDDR2-533/400使用時にはデュアルチャネルに対応する。

 VGN-A72PBに搭載されたCPUは現行ラインアップで上から二番めのPentium M 760(動作クロック2GHz)。内蔵の光学ドライブは2層式DVD+Rに対応したDVDスーパーマルチ、HDDには5400rpmの100Gドライブが組み込まれる(ただし、今回評価したした試作機では80GバイトのHGST HTS541080G9SA00を搭載していた)。

 無線LANモジュールはIntel PRO/Wireless 2915ABGを搭載して802.11a/b/gに対応。この無線LANモジュールとCPU、そしてチップセットのIntel 915PMの組み合わせで、新世代「Centrino」ロゴ(デザインは従来と同じだが)を筐体に添付している。

 グラフィックスチップも従来の上位モデルでMOBILITY RADEON 9700(ビデオメモリ64Mバイト)を搭載していたのに対して、VGN-A72PBはMOBILYTY RADEON X600(ビデオメモリ128Mバイト)とPCI Express対応のGPUに変更された。

 Direct X 9に対応したグラフィックスチップで、3Dゲームにも十分実用的なフレームレートで動作する。VAIO type Aは「AV(とくにサウンド)にシフトしたノートPC」というイメージが強いが、マシンスペックを見ると、第二世代は広範囲の用途に対応する性能重視のハイエンドノートと言えるだろう。

右側面には光学ドライブとモデムのみとシンプル

背面にはUSB 2.0×2に外部ディスプレイ、LANのコネクタがあるが、AVパワーアップステーションを取り付けたとき、この場所にあるインタフェースは使えなくなる

i.LINKやUSB 2.0、PCカードスロットなど主なインタフェースは左側面(と正面左寄り)に設けられている

本体前部左寄りにはメモリースティックスロットと無線LANのオンオフスイッチが用意されている

WUXGA&D4出力で本体も外部も高精細出力

 とはいえ、AV重視のコンセプトはVGN-A72PBでも健在。ディスプレイは高精細の大型ワイド液晶パネルを採用し、1920×1200ドットの超高解像度で表示可能。縦1080本の走査線を持ち1080i画像も縮小することなく再生できる「フルハイビジョン」対応のものだ。多層ARコートで反射も少なめになっている。

 手持ちの映画「TAXI 3」の1080p画像と通常のDVDソフトのTAXI 3の画像を比較してみると、悪玉のボスがつけていたサングラスのメーカーロゴがDVDでははっきり識別できないのに対し、WMV HD動画ではくっきり読めるなど、ディテール表現力が段違いであることが分かる。

 ハイビジョン対応は液晶パネル表示時のみならず、外部ディスプレイ表示でも対応する。VAIO type AにはHD15ピンのD端子アダプタが付属しており、D1/2/3/4出力に対応している。WEGA(28インチのブラウン管モデルでD4対応)に接続してみたところ、D4では720Pとして出力されるようで、1280×720ドットまでフルサイズでデュアル表示が可能だが、アダプタは本体に直接取り付ける必要があるためAVパワーアップステーション経由では表示できない。

D4出力端子はアダプタとして用意されている。あとで筆者も触れているがAVパワーアップユニットに内蔵できるようにすると使い勝手はよかったように思われる

 また、720Pの状態ではDVDフル画面再生が「DO VAIO」「WinDVD5 for VAIO」ともに行えない。この制限はDVDの暗号化技術であるCSSとも絡んでくるため、VAIOのみの問題ではないが、再生可能だと思う人も少なからずいると考えられるので、メーカーとしてはカタログやWebサイトなどで十分に周知させておく必要があるだろう。

 VAIO type Aは出力のみならず、入力機能にも高品質AVへの対応が配慮されている。ハイビジョンハンディカム「HDR-FX1」で撮影した1080i画像を取り込み(DV Gate Plus Ver.2.0)、編集(Premiere Standard)するだけでなく、画質を落とすことなく再生、保存が可能となっているのだ。

AVパワーアップステーションで高質サウンドを

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