「EPSON RAW Print」の使い勝手をチェック(1/2 ページ)

» 2005年01月31日 20時36分 公開
[ITmedia]

 セイコーエプソンの「EPSON RAW Print」(以下、ERP)は、デジカメで撮影したRAWデータを手軽に印刷するツールだ。ERPが対応するデジカメは、セイコーエプソンの「RD-1」、キヤノンの「EOS Kiss Digital」、ニコンの「D70」の3機種で、セイコーエプソンの「PX-G5000」(以下、G5000)と「PX-G920」(以下、G920)に対応する。

 では、さっそくERPの使い勝手を見ていこう。ERPの起動後、RAWファイルの保存フォルダを選択すると、サムネイルで画像が一覧される。次に、印刷したい画像のサムネイルにチェックを付けて、画面下部の印刷候補表示エリアに登録する。最後に用紙設定をして印刷ボタンを押し、G920/G5000で印刷を実行すればよい。

 基本的な操作は、上記の3ステップしかない。実際の印刷は、ERPがRAWデータを展開したのち、G920/G5000に付属する印刷ツールの「EPSON Easy Photo Print」を経由して出力される。

画像
画像 ERPを起動したら、左上の「フォルダ選択」をクリックして、RAWデータが保存されているフォルダを指定。ファイル数が多いと、サムネイルの表示が完了するまでには少し時間がかかる。サムネイルの表示サイズは、大小の2通りで切り替え可能だ
画像 サムネイルの下にあるチェックボックスをクリックしてチェックを付けると、その画像が画面下の印刷候補表示エリアに登録される。チェックを外すと、印刷候補表示エリアから削除される

 RAWデータの利点の1つに、撮影後でも露出補正やホワイトバランスをPC上で変更できることがある。ERPでも、シーン選択(カラー画像のみ)、露出補正、ホワイトバランスという3項目を、印刷前に変更することが可能だ。

 各項目の選択肢は、シーン選択が補正なし/標準/人物/風景、露出補正が±2EV(1/3EVステップ)、ホワイトバランスが晴天/曇天/晴天日陰/蛍光灯/白熱電球/フラッシュとなっている。ホワイトバランスに関しては、スポイトツールで画像内のグレー点を指定することで、色かぶりや色温度の補正が行える。

 各種の補正を適用するには、まず対象画像を印刷候補表示エリアに登録し、ダブルクリックかズームアイコンで拡大表示する。続いて、調整したい補正項目のプルダウンメニューで目的の選択肢をクリックすると、拡大表示した画像に補正が適用される。

 1つの選択肢を選ぶごとに補正が行われるが、RAWデータの処理時間としてはなかなか高速だ。どの調整項目を実行したときでも、Pentium4/2.4B GHzとメモリが1Gバイト(PC2700 DDR)のマシンで約1.4秒前後だった。一瞬というほどではないが、一呼吸くらいの感覚だ(EOS Kiss Digitalで撮影したRAWデータ、ファイルサイズは約7Mバイトのものを使用)。

 また、「全てに適用」にチェックを付けておくと、印刷候補表示エリアに登録したすべての画像に対して、同じ補正が適用される。各種補正の組み合わせは、補正設定として保存しておき、あとから読み込んで適用することも可能だ。

画像 補正機能はシーン選択/露出補正/ホワイトバランスの3項目だ。印刷候補表示エリアの画像を全体表示して、補正項目の選択肢を選ぶとすぐに適用される
画像 補正中の画像は一部分の拡大表示も可能。マウスのドラッグで表示部分を自由に移動できる

 なお、ERPはあくまで印刷だけのツールなので、RAWデータをJPEG形式やTIFF形式などの画像ファイルとして保存する機能はない。各種の補正も、メモリに展開した画像データに対して行われるため、もとのRAWデータはオリジナルのまま残る。

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