できれば家に会社の仕事は持ち込みたくないけれど……TabletPCハンズオン(1) ── for Business at Home(1/2 ページ)

これまで企業ユースを主な対象としてきたTabletPCが、コンシューマーにも裾野を広げてきた。好みの場所、好みのスタイルでON/OFFマルチに使えるTabletPCは、コンシューマーにうってつけのPCだとも言える。TabletPCの活用例を5回にわたってレポートしよう。

» 2005年02月17日 14時00分 公開
[まつばらあつし,ITmedia]

発見! TabletPCはペンでも操作できるPCだった!!

 何事であれ、新しいモノを受け入れるには時間がかかる。ましてそれが、今までの“常識”とはまったく違っている、すなわち“真に”新しいモノであれば、なおさらだ。だが……

 「今から思えば当たり前のことなんですが、TabletPCと言うから、なんかペンしか使えないコンピュータとか、あるいはお絵描きのプロ用とか、PDAの親分みたいなイメージがあって、自分には関係ないものだと思っていたんです。でも、使ってみたら何のことはない。これ、Windows XPのノートPCなんですよね」とハヤカワさん(仮名)。

 「ペンでも操作できるノートPCなんだって“発見”できたら、あとは会社で使ってるWindows XPと同じだから悩むことはなかったです。ペン操作そのものに慣れるための時間は必要かもしれませんが、使い勝手はアナログ的というか、手で直に作業する感じだということに気がつけば、それほど難しいわけじゃないです。もちろん普通にキーボードも使える訳ですし」

 ハヤカワさんは、この“発見”に少々驚いたようだ。事実、TabletPCのOSの正式名称は「Windows XP Tablet PC Edition」。すなわち、TabletPCはフル機能のWindows XPが入った最新のノートPCであり、さらに便利な機能が追加されたPCだということを意味している。これさえ“発見”できれば、確かにTabletPCを特別視する必要もないだろう。TabletPCとは「ペンで直接操作できるWindows XPのノートPC」なのだから。

システムのプロパティを確認してみると、TabletPCはまぎれもなくWindows XPであることがわかる

好みの場所、好みのスタイルで仕事ができる

 さて、今回から始まったTabletPCハンズオン企画。冒頭のやり取りのように、さまざまなシチュエーションで何人かの方々にTabletPCを使ってもらい、実際に使ってみた感想や何が「○」で何が「×」だったのかを聞きながら、TabletPCを多角的に評価・検証してみようというのが趣旨である。

 第1回目に出てもらったのは、普段は会社でWindows XPマシンを使用している会社員のハヤカワさん(仮名、42歳)。使ってもらったのは、東芝の最新TabletPC「dynabook R10」である。

東芝のコンシューマー向けTabletPC「dynabook R10」

 ちなみにdynabook R10は日本初のコンシューマー向けTabletPCであり、ノートPCスタイルとタブレットスタイルの2種類の形態で使える、いわゆるコンバーチブル型のTabletPCである。詳細に関しては、レビュー記事を参照してほしい。

 ところで、TabletPCの正体を“発見”したハヤカワさん。実は、家でPCを使うのはあまり好きではないという。家に会社の仕事を持ち込みたくないというのがその理由。もちろん多くの人がそう思っているだろうが、「ONとOFFの区別が付かなくなっちゃうんですよ。家にいるときも仕事だなんて、それはちょっと……」ということらしい。

 家でPCを使うことにあまり乗り気ではない様子だが、それでもいろいろと試してもらった。まずは普段から仕事で使っているExcelから。

 「うーん……、これはちょっと驚きますね、画面を直接操作するというのが面白いというか。昔、大きなコクヨの集計用紙に鉛筆で書込んでいた頃を何となく思い出しました」

 いつものExcelだから使い方に迷うことはないが、「慣れの問題だろうが、何となく操作に違和感がある」とか「数字の入力はテンキーの方がはるかに便利」と、気になる点はあるようだが、特に問題はないとのこと。「まぁ、普通のWindowsですから」と意外と素っ気ない。

 しかし、Wordを起動していじり始めると、「ちょっと面白いかも」と、俄然やる気(笑)が出てきた様子だ。とくに、注意書きなどを画面上から直接書き込めることがわかってからは、ビジネス上でのさまざまなシチュエーションが思い浮かんだとのこと。これまでプリンタで紙に印刷してからペンやマーカーで記していたメモ書きや注意すべき箇所の指摘などが画面上でできるのは「便利かもしれない。デジタルなんだけど、アナログっぽい使い方ができるのは新鮮で面白いし」と、ここでも新しい発見があったようだ。

ExcelのワークシートやWordの文書に画面から直接コメントを書き込むことが可能
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