家庭で使うエンタメ機能を重視したワイドノート──デル「Inspiron 6000」(2/2 ページ)

» 2005年02月22日 15時40分 公開
[八木慎伍,ITmedia]
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迫力の超高解像度15.4インチ液晶ディスプレイ

 1920×1200ドットという高解像度は、バリュークラスノートPCで最も標準的な1024×768ドットの3倍近い画素数を持っている。トリプルディスプレイ並み、と言えばわかりやすいだろうか。ここまで解像度が高いと、複数のウインドウを表示させて使っても快適だ。

 筆者のように、Webサイトで調べ物をしながら原稿を執筆する使い方はもちろん、Excelで広大なワークシートを一望する使い方や、デジカメで撮影した映像を探すために大量のサムネイル画像を表示したい場合など、高解像度の情報量の多さはどんなユーザーにも魅力だろう。

 しかし、17インチワイドディスプレイでは採用例の多いこの解像度も、15.4インチで表示するとドットピッチは0.17ミリとかなり細かい。Windowsのデスクトップアイコンが5ミリ角、マウスカーソルも3ミリとかなり小さく見えてしまうのだ。

 そのため[画面のプロパティ]→[デザイン]の「効果」ボタンにある「大きいアイコンを使用する」の設定は必須(本機は出荷状態から、この設定になっている)。アイコンの文字も小さく感じる場合は、同じく[画面のプロパティ]で、フォントサイズを大きくすればいい。

 このあたりはWindowsの設定でかなりカバーできるのだが、世の中のアプリケーションがすべてWindowsのフォントサイズに対応しているわけではない。たとえば本機にプリインストールされているライティングソフト「RecordNow!」は、フォントサイズを変えてしまうと「登録」ボタンが欠けてしまうし、RecordNow!そのもののGUIが、Windows標準のウインドウ枠を採用していない独自デザインのため、終了の「×」ボタンのサイズが変わらず、2ミリ角とかなり小さく感じてしまうのだ。

 この液晶を選ぶ人は、このような「細かい表示」に順応する必要があることを覚悟しておこう。

 ディスプレイのパネル面は国産PCでよくある「高輝度」「ツルピカ」ではなく、標準的なノングレア処理をしたもの。輝度は180カンデラと決して明るくないが、照明の映り込みが少なく視野角も130度と広い。AV用途に最適とまではいえないが、PC本来のディスプレイとしては悪くない画質だろう。

カーソルキーが下にオフセットして、ほかのキーにむりのない配置になっているのは好ましい。キーボードは剛性感とストロークとも充分確保されている

高性能パーツで固めてあるのにHDDの4200rpmは残念

 パフォーマンスが気になるInspiron 6000だけに、ベンチマーク結果が気になるところだが、デルが用意できる評価機は発売予定のないPentium M 770搭載モデルのみ、ということで、ここでは具体的な値を示さないでおこう。ただ、「実機以上の」高性能パーツを組み込んだ評価機なのに、冷却ファンの音がそれほど気にならなかったことをとくに述べておきたい。

 パーツの構成で1つ残念なのが、HDDが4200rpmであること。体感できる性能差としてはHDDの回転数は大きな影響力をもっているので、せっかくの高性能パーツで固めたInspiron 6000らしく5400rpmを採用して欲しかった。

 ちなみに、本機のHDDインタフェースはUltra ATA/100。内部でSerial ATA−Ultra ATA変換ブリッジを採用していると思われる。現在の2.5インチHDDなら、Serial ATAが必要になるほどの転送速度はでないので、コストパフォーマンスを考えると堅実な選択だろう。

自分の用途を理解して、最適な構成を選ぼう

 今回は幸いにも「実際に販売される以上の」最高スペックマシンを評価できたが、それでも、やはり本機の最大の魅力は、用途に適した構成を選べる点にあると思う。

 筆者が、こういったBTOマシンの購入相談を受ける場合、まずは「CPUはどれぐらいで充分か?」と聞かれることが多いが、Inspiron 6000は「ディスプレイ」を軸に選択すべきだろう。

 色々な情報を見ながら仕事をするような使い方や、フォトレタッチなど、とにかく解像度が欲しい、というユーザーなら、CPUよりも解像度を優先させるべき。3Dゲームもやりたいならば、高解像度は3Dパフォーマンスの足を引っ張るので、1280×800ドットを敢えて選択するのもアリ。

 また、高解像度表示は必要とするビデオメモリも多いので、できればMOBILITY RADEON X300を選びたい。コスト優先で、チップセット内蔵のIntel GMA 900を選択する場合、512Mバイト以上のメインメモリは必須だ。

 何でも選択できそうなハイエンドモデル「Insprion 6000」だが、残念ながらDVDスーパーマルチドライブが選択できない。DVD-RAMを使いたいなら、本機の購入はお勧めしない。また細かい点だが、メディアカードスロットはSDカードだけ。最近多いマルチカード対応タイプではないことにも注意しておきたい。

左側面には光学ドライブが用意されているだけ。BTOで選択できるドライブはDVD-ROMからDVD-ROM&CD-RWコンボ、2層式対応DVD+R対応DVD±RW
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