セイコーエプソン社長に花岡副社長が昇格

» 2005年02月23日 19時13分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 セイコーエプソンは2月23日、花岡清二副社長(57)が、4月1日付けで代表取締役社長に昇格する人事を発表した。草間三郎社長(65)は代表権を持つ会長に就任。増収増益基調を背景に、若返りを図る。

草間社長(左)と花岡副社長

 同社は、草間社長が就任した2001年を底に増収増益を続けており、2003年には東証1部上場も果たした。「私にとって4年は1つのサイクル。社長も4年間全力投球し、良いタイミングで結果を出せた」(草間社長)。

 草間社長は、花岡副社長に次期社長を任せようと就任時から計画し、さまざまな事業領域を学んでもらっていたという。「情報産業やデバイスは日々進歩する。若さと気力、知性のそろった新社長に任せたい」(草間社長)。4月以降は会長として新社長をサポート。実務面はすべて新社長に任せ、「外の公的な仕事」(草間社長)をメインに手がけるとした。

 花岡副社長は東北大学工学部出身。プリンタ事業に30年間たずさわったほか、画像分野や電子デバイス、ネット関連の新規事業も手がけ、最高技術責任者(CTO)も務めてきた。新社長として、プリンタ、プロジェクター、中・小型ディスプレイに集中する同社の中長期計画「SE07」を継承し、足下をみすえた経営を行うとした。

 花岡副社長によると、同社の強みは「アナログ」だ。「デジタル時代は標準化の時代で、新規参入が容易になり、競争が激化する。しかしプリンタやディスプレイは人間の目で見、“きれい”とか“キレがいい”などアナログな感性が必要。セイコーエプソンはアナログ分野の差別化技術を持っている」(花岡副社長)。技術開発や人材育成にも力を入れたいとした。

 同社の課題として、デバイス関連分野を需給変動に耐えられる体質にすることや、マーケットを先取りした情報関連機器の開発を挙げた。「デバイスと情報機器を車の両輪として、健全に回したい」(花岡副社長)。

 時計分野に関しては「正直、考えていない」(花岡副社長)。時計に詳しい草間社長のサポートに期待するとした。

 安川英昭会長は相談役に就任する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  5. QualcommがPC向けSoC「Snapdragon X Plus」を発表 CPUコアを削減しつつも圧倒的なAI処理性能は維持 搭載PCは2024年中盤に登場予定 (2024年04月25日)
  6. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  7. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  8. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  9. AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目! (2024年04月25日)
  10. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー