“AV機器風ベアボーン”にAV機器の性能は宿るか――「S-Presso Deluxe」を試すベアボーンキット(1/4 ページ)

» 2005年02月24日 17時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

 キューブ型ベアボーンキットと言えば、すでに自作PC市場では確固たるポジションを確立していると言える。ほどよくコンパクトな筐体には高密度にチップとパーツが実装され、そのレイアウトからボード、冷却の仕組みまでトータルでメーカーの技術の見せ所となっている。

 今回試用したのは、マザーボードの老舗メーカーASUSから登場したキューブ型ベアボーンキット「S-Presso Deluxe(S1-P111)」だ。

 S-PressoのStandard版は昨年末より発売され、そして今回Deluxe版が登場した。このDeluxe版は、本体前面のタッチセンサー内蔵パネルと情報表示のためのLCDを搭載し、よくあるベアボーンキットとは一味違ったAV調なデザインに仕上げられている。

photo ASUS「S-Presso Deluxe(S1-P111)」。ブルーメタリックでやわらかな丸みのある筐体。このカラーのほか、ホワイトカラーモデルもラインアップされる

独特だがすっきりしたデザインはAV機器を意識

 S-Pressoは外観からして特徴ある製品だ。まずカラーリングはブルーメタリックカラーを基本色に、そしてフロントパネル部にスモーク入りブラックカラーを採用し、落ち着いているというか、ややダークな雰囲気。そして少し丸みを帯びた筐体には、持ち運び用の取っ手がパネル上部に設けられ、スイッチにタッチセンサーを搭載することで、ごてごてとボタンのない、つるりとしたパネルデザインがなされている。

 ちなみにこの取っ手はASUSによると、(LANパーティーは日本では馴染みが薄いかもしれないが)友人宅やパーティ会場に自前PCを持ち込み、ネットワークゲームを楽しむ「LANパーティー」用として採用したとのこと。昨年11月にアキバで行われたASUSイベント時(2004年11月の記事参照)に「国内向けとしては馴染みがないので取っ手がないデザインも検討している」としていたが、そのまま“取っ手付き”で決まったようだ。

photo 普通に持ちやすい“取っ手”。付けて正解だ
photo 本体付属品は、リモコンと専用CPUファン、ケーブル類、マニュアル2冊(ハードウェア・ソフトウェア)、CD-ROM3枚(ドライバ・InstantOnソフトウェア・InterVideo HomeTheater)など

 フロントパネルには、そのほか7in1メモリカードリーダー、カバー付きの光学ドライブベイなどが搭載されている。本体サイズは、一般のキューブPCからするとひとまわり大きな、240(幅)×181(高さ)×330(奥行き)ミリとなっている。

photo 本体前面には7in1メモリカードリーダー(左)と、ヘッドフォン出力/USB/IEEE1394といったフロントインタフェース(下)を装備
photo LED点灯時はこのようにステータス表示が点く

 フロントLED部とタッチセンサー付きパネルは、CD/DVDの操作、ステータス表示などに加えて、InstantOn機能用の起動スイッチにもなっている。

photo フロントパネルを外すと、いくつかのコイル状のものが見える。このコイルが人間の手の微弱な電流を感知し、オン/オフを制御する仕組みとなっている

 Instant On機能とは、WindowsなどのOS起動なしでTV視聴/CD・DVD再生/ラジオ聴取が可能となる機能だ。このところこうした機能に対応したリビング向けとも銘打たれるPCが増えてきたが、少しもどかしいところでは、本体の起動(OSの起動用)スイッチとInstant Onスイッチが別になっているところだ。

 本体側面と後部に目を移すと、両サイドには通気用のスリットが開けられており、後部には小サイズながらファンが2基搭載されている。そしてその上にはSFF電源が搭載されている。

photo ファンは2基。そして拡張スロット2基(1つはチューナーカード装着済み)などが確認できる

ドライバレス&トップオープン式の筐体は自作初心者も簡単

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