松下電器産業が2月25日に発売した新LUMIX「DMC-LZ2」のいちばんのセールスポイントは、「ルミックスDCバリオレンズ」と命名された新開発の光学6倍ズームである。これまでのLUMIXは、エントリー機からハイエンド機までのすべてにライカレンズを採用していたが、このDMC-LZ2に「ライカ」の文字はない。
同じ日に新発売された光学12倍ズームの上位機「DMC-FZ5」のほうは、これまで通りライカレンズを名乗っているので、ライカと決別したわけではなさそうだ。また、ライセンス料などのコスト削減の意味もあるだろうが、それだけではない。
昨年の「DMC-FX7」のヒットにより、もはやライカブランドに頼らなくても、LUMIXブランドだけで通用するようになったからだろう。カメラマニアではない若い人にとっては「ライカ」といわれるよりも、「あゆのLUMIX」のほうが伝わりやすいはずだ。ライカブランドの価値が下がったわけではないが、家電メーカーのエントリーデジカメに採用されてからは、少しありがたみが薄れたのは皮肉な気がする。
この「ルミックスDCバリオレンズ」の魅力は、小型軽量ながら光学6倍という高倍率を備えることだ。焦点距離は、35ミリ換算で37〜222ミリ相当になる。ワイド側こそ平凡だが、本体重量178グラムのコンパクトボディにしてテレ側222ミリは大したものである。36〜180ミリ相当で150グラムのペンタックス「Optio SV」、36〜300ミリ相当で255グラムのニコン「COOLPIX 4800」あたりがライバルになるだろう。
ライバルに勝るアドバンテージは、LUMIXではおなじみとなった光学式手ブレ補正ジャイロ「MEGA O.I.S.」を搭載することだ。どんなブレでも100%防げるわけではないが、ブレが目立つズームのテレ側使用時には特に重宝する。しかも、手ブレ補正に必要な電力はごくわずかなので、ジャイロがあるからといって困ることは何もない。
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