TabletPCで変わるキャンパスライフTabletPCハンズオン(3)──for Students(1/2 ページ)

TabletPCの活用例を5回にわたってレポートするTabletPCハンズオン企画。今回は都内の大学に通う新4年生のタカコさんにTabletPCを使ってもらい、大学生の視線からTabletPCの使い勝手や使い心地を語ってもらった。

» 2005年03月09日 09時30分 公開
[まつばらあつし,ITmedia]

新しモノ好きの血が騒ぐ

 「ちょうどそろそろパソコンを買い替えようと思っていて、今回TabletPCをお借りできたので使ってみたんですけど、なんか『新鮮』というか、『眼からウロコが落ちる』ってこういうことなんだなって実感しました。こんなパソコンがあるんですねぇ」

 そうしみじみ語るのは、大学生のタカコさん。試用してもらったTabletPCとのファーストコンタクトの感想だ。

 「でも……。ゴメンナサイ、正直言って、TabletPCっていうパソコンがあるなんて、全然知りませんでした。お店でも見たことないし……」

 タカコさんが全然知らなかったというのも、ある意味当然かもしれない。TabletPCはこれまでビジネス用途がメインで、一般のPC販売店の店頭に並ぶことはほとんどなかったからである。

 しかし、今回の試用機である東芝の「dynabook R10」は、同社にとっても日本全体で見ても、“初のコンシューマー向けTabletPC”というポジションにある最新鋭機だ。実売価格でも20万円を切るというお手頃な価格設定に、TabletPCの“攻め”の姿勢を感じさせる製品と言えるだろう。

 「なんかこう、画面をくるくる回したり折りたたんだりして使っていると、『わー、新しいの使ってるー』って感じで、新しモノ好きにはグっと来るかもしれませんねー」

モテモテなのはいいけれど

 そろそろお馴染(?)のTabletPCハンズオン企画。3回目は、大学生活もまもなく4年目を迎える大学生のタカコさんに、例によってTabletPCを自由に使っていただき、TabletPCがどのように目に映り、どのように感じるのかを、学生の視点から述べていただこう。

 「新しいパソコンだから嬉しくて、試しに学校に持っていったんです。そしたら、モテてますよぉ、これ。みんなのぞきに来ますから。『なにそれ?』みたいな感じで。で、画面見て『へぇ〜 Windowsパソコンなんだ!』って驚いたりして」

 モテモテですね(笑)

 「う〜ん……。わたしがモテてる訳じゃないので、微妙(笑)。でも、客観的に見て、パソコン、特にノートPCを使ってるときって、何となく猫背になりません? 画面のぞき込みながらチマチマって感じで。その点TabletPCは、思い通りの姿勢で使えるからビジュアル的にもイイかも。本を読んでるみたいで、実はインターネット、とか。今までとは違った感じでパソコンを使えますよね」

 「でも、中身はフツーのパソコンだから違和感なく使えるのが『エライ!』って思いますね。それに、タブレットスタイルで画面を縦長にしておくと、レポートとかの縦長文書をいっぺんに見渡せるので便利だし」

図入りのレポート作成に威力を発揮

 「普段はWordでレポートを作ったりしてますけど、図を入れなきゃいけないことってよくあるんですよね。グラフとかだったらExcelで作ればいいんですけど、例えば化学の分子モデルみたいな、ちょっと複雑な図なんかは普通のPCではお手上げです。簡単に図が描ければ楽になるのになぁ……とずっと思ってたので、これは期待できそうです。文字入力がメインのときはキーボードで、図が必要なときはペンでささっと描けるのがイイですね」

TabletPCのインク描画機能を使えば、複雑な構造の分子モデルなども手軽に図にすることができる

 「レポートって作るときもそうなんですが、資料やデータのチェックに結構時間がかかるじゃないですか。そんなときはディスプレイをクルッて廻して、画面上でマーカーを付けたり書き込みできるのも使いやすいかな。こうして使ってると、いつもと同じWordなんだけど、なんか違った感じです」

 TabletPCに初めて接すると、「同じソフトなのだけれど、何か違った感じがする」と多くの人は感じるようだ。特に普段使い慣れたソフトに対しては、その傾向が強いようである。

 「それと、試しにオートシェイプなどの作図機能をペンでいろいろと使ってみたんです。そうしたら結構面白くなっちゃって。正直、今まではあまりWordの作図機能は使わなかったんですけど、これはイイかも、と思っちゃいますね」

 Wordの作図機能とTabletPCのインク描画機能との組み合わせは、マウスやトラックパッドでは難しかった新しい使い方を可能にしてくれる。そういう“発見”があるところに、TabletPCの面白さがある。

オートシェイプやクリップアートなどのグラフィックスとインク描画を組み合わせることで、ビジュアル要素を盛り込んだメモやレポートなどを作成できる

 そこで、もっと面白がっていただこうと、「Office OneNote 2003」を試してもらった。このソフトは、キーボード入力とペン入力の両方で文字や簡単なイラストなどを書き込めるほか、Webページやグラフィックなどをドラッグ&ドロップで取り込んだり、音声メモやビデオメモを録音・録画することができる。もちろんこれらのデータは、後で整理したり再利用することが可能だ。まさにデジタルな“ノート”アプリケーションなのである。

dynabook R10には、デジタルノートアプリケーション「Office OneNote 2003」がプリインストールされている。後述する「PowerToys」も、ショートカット(左下のアイコン)のダブルクリックでインストール可能だ

 「へぇ〜! これは学生のためにあるようなソフトですね。授業とかゼミなんかで、黒板に描いた図やグラフ、チャートなどを描き写したいときもあるけど、パソコンだと難しいなぁって思ってたんです。図なんかをぱぱっとメモするのに、グラフィックソフトをいちいち立ち上げてなんかいられないじゃないですか。でもTabletPCだと、ペンでOneNoteにさらさらと描き留められます。使いやすいというか、まるで紙のノートって感じですね。タブレットスタイルのままでできるのはラクだなぁ」

紙のノートの使い勝手の良さをPC上に再現したOffice OneNote 2003。アウトラインプロセッサ的な使い方ができるなど、ノートというよりも、思考をサポートするデジタルツールというイメージか

 タカコさんはOneNoteがかなりお気に入りの様子。TabletPCとOneNoteの自由で柔軟な使い勝手が、自分のスタイルに合っているのだろう。

 「テンプレートもいろいろあるし、普段はこれだけで十分でしょうね。授業ではとりあえず何でもメモっておき、家や図書館など落ち着いて取り組める状況になったらWordでちゃんとレポートに仕上げればいいわけだし、これを経験しちゃうと、パソコンの使い方が変わっちゃうかもしれませんね」

“楽しい”“カッコいい”も重要な選択基準

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