S記者、恐るおそる触る。
普段はクールな物腰なのに、こういったモノとかアイドルが来たときにははしゃぐ、結構分かりやすい男だ。
「ねぇ、いきなり反応出たらどうするんですか?」
「スイッチ、入れますよ、いいですね。入れましたよ」
ぴっぴっぴっ……。
「あ、鳴ってますよ、鳴ってますよ。何かいるんですか」
……単なるサーチ中の音。
ふとセンサーが反応した。
「あー、今度こそ何かいる」
人柄は、未知なるものを見たとき体験したときに結構反映されるもの――。
“あの”ソリッドアライアンスが、またやってくれた。アヒル、スシ、えびふりゃあときて、今度はお化けだという。それが「ゴーストレーダーUSBメモリー」だ。
ゴーストレーダーUSBメモリーは、いくつかの特殊センサーが搭載され、超常現象が起こるさいに発生する(と言われている)微弱な磁界の変化に加え、身体的な変化をも総じて探知することで、未知のエネルギー体を検出できるというものだ。
折りしも発売開始は4月1日。たぶんほとんどの人がジョークだと思ったはず。しかし大マジなのである。同社通販サイト「SolidAlliance-Store」などにて、128MバイトUSBメモリ付きモデルで9800円より発売されている。ほか、256Mバイトモデルが1万4800円、512Mバイトモデルが1万9800円となっている。
ソリッドアライアンスと言えば、一連のおバカUSBグッズなどから“あっち方面”を狙い、今回のゴーストレーダーもその続きと考える人が多いかもしれない。今回、ゴーストレーダー開発から発売までの経緯や、その正しい(?)使い方をじっくり聞いてみた。
ITmedia いきなりですが、なぜ“お化け探知機”なるものを発売しようと思ったのですか。
ソリッドアライアンス河原氏(以下、河原) ゴーストレーダープロジェクトは、もともとはそれほど特質だった話ではなく、バーベキューパーティをやろう、そのときにありがちな、いわゆる“お化けスポット”もまわってみようよ、と言うことから始まりました。
このときに、電磁波センサーを持ってスポット別にデータを計測してみたんです。何かマジにやってみてもおもしろそうだぞ、と、ふと。
たとえば、磁石やコンパスを持って道ばたを歩いていている奴なんか基本的にはいないわけで、そういったところに新しい発見があるのではないかという発想です。ばかばかしいと言われてもそれはそれで、もともとみんな、ばかばかしい奴が集まっているのでそれならいっそ徹してしまおうというか。
ソリッドアライアンス設立は2002年7月ですが、その前からプロジェクトが始まったことになります。そうです、あのアヒルや“えびふりゃあ”より前のことになりますし、この“徹底した遊び”の概念があったからこそ、これらも生まれたと言っても過言ではないと思います。逆に、これらがあったからその延長線上ギャグでという考えもなきにしもあらずなのですが(笑)。
ITmedia ま、まぁ、御社でないと素直に受け入れられなかったかもしれませんね。ところで具体的には、どのような仕組みになっているのですか。
河原 開発にあたって、まず市販の風速計、温度計、磁界計、電磁波といったセンサー機材を揃えました。いろいろな場所でさまざまなデータを取っていくうちに、おもしろい現象が確かにあることが分かったのです。何もないところでいきなり電磁波レベルが急激に上がったり、それに関連して体抵抗値が急激に変化したりといったように。
ゴーストレーダーには、基本的に温度、磁界、体抵抗、光など、さまざまなセンサーが備わっています。完成型には含まれませんが、電磁波センサーも初期は試しました。
本格的にやってみようよと決めたもう1つの理由が、アメリカのあるTV番組で、電磁波センサーそのものをお化けセンサーだと言って紹介されていたことも挙げられます。
TVに近づけて「ぴっぴっぴっ、ほら鳴りました。これはこの地にかつていた“ほにゃらら”が、TVを媒体にして……」といったように。でもTVとかPCはそもそも多少なりとも電磁波が出ていますから、そんなのいくらか反応出るのは当たり前ですよね。そのようなわけで、電磁波センサーのほかにもさまざまな計測センサーが必要という結論に達しました。
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