前回使用した統合開発環境「IDE」にはPICへ書き込むために“Programmer”という項目がツールバーに用意されている。このProgrammerをクリックして“Select Programmer”を選択すると「None」とつれない文字が出てくる。
これは、PICにプログラムを書き込む「PICライター」なる周辺機器が接続されてないため。IDEで統合可能な純正のPICライターはなにぶん高いので、ここでは安価なライターを使う。安いのはいいのだが、せっかくIDEに用意されている書込み用のメニューが使えない。
ここで「さて、どうしようか」と頭を悩ますのもいいが、よくよく考えてみると、PICへ書き込むときに必要なのは、統合環境でMakeした最終結果であるHEXファイルだけ。さほど面倒というほどではないので、統合環境に組み込めないからといって、あまり悩む必要はない。
比較的安価なPICライターはいくつかあるが、容易に入手でき、かつ応用が効くという意味で、秋月電子のオリジナルキット「AKI-PICプログラマー Ver.4」をここではお薦めしたい(Ver3.5キットとVer.4アップグレードを購入する)。しっかりした基板が付いており、ハンダ付けだけで作成できる。ただし、安価といってもそれなりにお値段が張ってしまうのが難点だ。
もう1つ、フリーのPICライター用回路として有名なJDMプログラマというものがある。対応したフリーの書込みソフトとの組み合わせならばパーツ代だけ(1000円もかからない)で済む。電子工作は難しいというならば完成している販売キットを入手する手もある。さらに改良した回路を発表するだけでなく、キットを配布している個人のWebサイト(例えばFENG3氏のRCDライタキットなど)もある。
ただし、JDMプログラマとその亜流はRS-232Cから電圧を作るため、ノートPCやUSB-RS232C変換アダプタで使うRS-232Cでは動作しない。最近は一体型デスクトップPCでもシリアル端子を持たないものがある。RCDライタキットを配布しているFENG3氏からも実際の利用において以下のようなアドバイスをいただいている。
秋月電子のキットは外部電源が必要だが、シリアルポートに関してはノートPCやUSB-RS232C変換アダブタを介しても動作に問題ない。最近の一体型デスクトップPCでもシリアルポートがないので、このような場合はUSB-RS232C変換アダプタ+秋月のキット、という選択になる。
なお、JDMプログラマに使用できるWindows対応書き込みソフトとしてよく使われているのがIC-Progだ。また英語?というユーザーには日本語パッチも存在しているので、これを適用するもよいだろう。
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