バッファロー「PC-MV7DX/PCI」は、4月下旬に販売を開始したバッファロー製ハードウエアMPEGエンコーダ搭載のTVキャプチャーカードだ。MPEGエンコードチップに、VWeb製「VW2010」を採用し、MPEG-1/2に加え、ハードウェアMPEG-4エンコードへの対応が特徴となる。
VWeb「VW2010」はあまり馴染みのないメーカーのチップだが、このチップにより、MPEG-1/2/4のリアルタイムハードウエアエンコードに対応している(最近の製品では、NEXX「NTVC-760PGN」に搭載されている)。また、MPEG-2ファイルからMPEG-4ファイルへの変換機能「トランスコードアクセラレーション機能」を備え、MPEG-4への対応が大きなポイントと言える。さらに、録画後のファイルは変換操作を行うことでPSPで再生可能なメモリースティックビデオフォーマット対応MPEG-4ムービー(MPEG-4SP)出力も行える。実際、他社製キャプチャーカードでも現在ここまでMPEG-4への対応に注力している製品は多くない。
TV視聴・録画ソフトのPCastTVのEPG機能は、ブラウザ上より録画予約が行えるiEPGに対応する。デフォルトサイトはソニー「テレビ王国」が登録されている。テレビ王国では、登録ユーザーが利用可能なチャネルカスタマイズ機能「MY PAGE」が利用でき、チャネル設定も自動/手動で特殊な環境にも対応しやすい。各種操作については、画面下部に別途ウィンドウが開き、そこで操作を行うつくりのタイプだ。
ただ最近では、TV番組表を独自の表示ツールで展開、各種情報に色を付けたり、録画済み番組も日付時系列で表示するなどしてユーザー側の使い勝手を向上させた、独自のTV視聴・録画・EPGソフトを用意するメーカーも多く、Webサイト上より設定するタイプの番組表は使い勝手において見劣りする場合も多々ある。このあたりはユーザー好みの部分もあるが、とくにこの製品は「通常録画後」の用途について特徴を持たせている製品といえるので、使い勝手を考えたツールをシームレスに使えるよう用意されていることも重要なのではないだろうか。
高画質化機能として「ゴーストリデューサー」「3次元Y/C分離」「3次元ノイズリダクション」を備える。これら3種類の高画質化回路としてそれぞれ別のチップを搭載することで同時利用が可能となっている。
録画後の映像ファイルの各種処理を行うバンドルソフトには、使い勝手のよさに定評のあるペガシス製TMPGEncシリーズがセットになった「TMPGEnc DVD EASY PACK for BUFFALO」が付属する。
映像編集や圧縮など幅広く映像を編集する場合には「TMPGEnc 3.0 XPress for BUFFALO」、簡単なCMカットのみの編集なら「TMPGEnc MPEG Edit」、DVDオーサリングには「TMPGEnc DVD Auther 1.6 for BUFFALO」が利用できる。オーサリング用のTMPGEnc DVD Autherこそ現時点での最新版となるバージョン2.0より低いが、映像編集ソフトのTMPGEnc XPressに関しては最新の3.0が利用できる点は大きい。これら製品をすべて購入すると1万円以上かかることを考えると、それだけでちょっとお得感がある。
また、市販のDVD-Videoなどで使われているドルビーデジタル音声コーデック(AC-3)も同ソフトから利用できる。
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