きょうはECS「PF88」で「A9S」に差したAthlon 64の性能に注目してみたマザーボード(1/5 ページ)

» 2005年05月27日 04時12分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 新顔のPCパーツがいっせいに公開されるCeBIT 2005でひときわ注目を集めたのがECSのマザーボード「PF88」。素のPF88はLGA775が実装されたPentium 4対応マザーとなっているが、ECSオリジナルのバス「Elite Bus」に差したライザーカード、いやボードとも言うべき大型の拡張カードにSocket939を載せて、Athlon 64マザーとしても使えるようになっている。

ECSのユニークなマザーボード「PF88」は、現時点で数少ないSiS 656 FXとSiS 965を搭載したマザー、としても注目したい

 PF88の基本形が搭載するチップセットはSiS 656FXとSiS 965の組み合わせ。「SiS 656FX」はPCI Expressに対応したSiSの最新鋭チップセットで、メモリはDDR2-667をデュアルチャネルでサポート、FSBも1066MHzまでカバーする。

 マザーボードに実装できるスロットの数は、PCI Express x16スロット1つにPCI Express x1スロットが2つまで。SiS 656とMuTIOL 1Gで接続するサウスブリッジ「SiS 965」は、2つのUltra ATA/133のほかに4つのSerial ATAをサポート(Serial ATAの転送速度は従来と同じ1.5Gビット/秒)。Serial ATAに接続したHDDでRAID 0、1、0+1の構築も可能だ。このほか、ギガビットイーサや8つのUSB 2.0など、チップセットとしてのスペックはIntel 925XやnForce4 SLI Intel Editionと遜色ない。

 先ほど、SiS 656がサポートするPCI Expressスロットの数は、PCI Express x16が1つにPCI Express x1が2つ、と述べたが、PF88には「なぜか」PCI Express x16スロットが2本、そしてこのマザーボードの最大の特徴ともいうべき「Elite Bus」用スロットが1つ実装されている。

 Elite Busスロットは、LGA775対応Pentium 4以外のCPUを使えるようにする拡張カード専用のスロット。今年の3月に行われたCeBIT 2005では、Socket 939とAthlon 64対応ノースブリッジ「SiS 756」、PC3200対応メモリスロットを実装した拡張カードを差した状態で動態デモを行っていた。

 ECSではその後、Socket939以外に、Pentium M対応のSocket 479を搭載したカードなども登場させる予定を明らかにしている。原稿執筆時は検証作業中としながらも、デュアルコアのPentium(Pentium ExtremeかPentium Dかは不明)や同じくデュアルコアのAthlon 64 X2の動作も確認されたとの情報もECSサイドからもたらされている。

 今回、評価を行ったのはCeBIT 2005でも展示されていたSocket939搭載カード「A9S」。なお、マザーボードとA9Sはそれぞれ別に販売される予定で、PF88の実売価格が1万円前半、A9Sの実売価格が6000円前後と予想されている。A9Sの価格は、例えばSocket 478マザー用Socket 479変換「ゲタ」CT-479の実売価格に近い。

Socket939対応CPUを使用可能にする拡張カード「A9S」には、PC3200対応メモリスロットが2本とノースブリッジのSiS 756が搭載されている。ATX12Vのコネクタも用意されており、A9S実装時はこちらにケーブルを差すようになる

意外と手間がかかるA9Sへの切り替え

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