さて、LANDISKはLAN内のファイル共有以外にも、外部からアクセスできるftpサーバ機能も備え、ユーザーアカウントを作成し、ユーザー毎に公開するフォルダを設定することができる。ファイル共有しているフォルダをftpでアクセスできるので、自宅のPCは電源を切っておいても本機に外部からftp接続して必要なファイルを取り出すといった使用用途が考えられる。
もちろん外部公開するとなるとルータ上での設定も必要で、しかもかなりリスクが増えることになる。ちなみに本機ではanonymous接続を無効にできない仕様となっており、かなり危険なのでことさら注意したい。ダミーのフォルダを作成しておいて、これを公開するようにしておくなどの対処をしておくことが望ましい。
さてLANDISKは、NASキットの代表格といえる「玄箱」に比べるとファームウェア(OS)が基板上にあるため、OSやデーモン設定などを自由にカスタマイズして楽しむといったことはできない。その反面、「玄箱」は導入・設定が結構面倒という難点もあるわけで、そもそも想定しているユーザー層が違うと言える。本機はとにかくNASを手軽に家庭内用途でというユーザー向けで、実際HDDの組み込みの方法からして非常に容易だ。
ファイル転送速度の点では不満は残るものの、手軽さとファンレス構造+HDD停止機能のおかげで未使用時は本当に無音だし、アクセス時でもHDDの動作音はほとんど気にならない(もちろん搭載するHDDにもよるが)。なお筆者が試用した範囲では発熱が原因と思われるトラブルはなかったが、一応ファンレスということで、HDDの発熱に関しては若干不安を感じるのは否めないかもしれない。
もう1つ、その価格は魅力だといえるだろう。実売価格は2005年6月現在で8000円台から販売されており、NASキットとしては低価格だ。
ベアHDD単体の価格、HDD込みのNAS製品も低価格化が進んでいるとはいえ、本製品+手持ちの余ったHDDを流用できる、さらに必要に応じてHDDをアップグレードできるというメリットもある。とにかく手軽にNASを導入したいしかも安価にといったユーザーには、そこそこ魅力的な製品と言えるだろう。
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